なまめく/艶めく/生めく
このテキストでは、カ行四段活用の動詞「
なまめく/艶めく/生めく」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
カ行四段活用
未然形 | なまめか |
連用形 | なまめき |
終止形 | なまめく |
連体形 | なまめく |
已然形 | なまめけ |
命令形 | なまめけ |
■意味1:自動詞
若々しくて美しい。
[出典]:
初冠 伊勢物語
「その里に、いと
なまめいたる女はらから住みけり。」
[訳]:その里に、たいそう
若々しくて美しい姉妹が住んでいました。
※「なまめい」は連用形「なまめき」のイ音便。
■意味2:自動詞
優美である、上品である。
[出典]:
橋姫 源氏物語
「箏の琴、あはれに
なまめいたる声して、絶え絶え聞こゆ。 」
[訳]:箏の琴が、しみじみと
優美な音がして、途切れ途切れに聞こえます。
■意味3:自動詞
落ち着いている。
[出典]:鈴虫 源氏物語
「閼伽の棚などして、その方にしなさせ給へる御しつらひなど、いとなまめきたり。 」
[訳]:閼伽棚などを作って、仏道修行にふさわしくお作り直しになったお部屋のご設備などは、たいそう落ち着いています。
■意味4:自動詞
色っぽく振る舞う。
[出典]:夕霧 源氏物語
「ひき返し懸想ばみなまめかむもまばゆし。」
[訳]:打って変わって思いをかけ色っぽく振る舞うのも決まりが悪い。