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古文単語「いふかひなし/言ふ甲斐無し」の意味・解説【形容詞ク活用】

著者名: 走るメロス
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いふかひなし/言ふ甲斐無し

このテキストでは、ク活用の形容詞「いふかひなし/言ふ甲斐無し」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。

形容詞・ク活用

未然形いふかひなくいふかひなから
連用形いふかひなくいふかひなかり
終止形いふかひなし
連体形いふかひなきいふかひなかる
已然形いふかひなけれ
命令形いふかひなかれ


※同じ働きをする言葉に「いひかひなし/言ひ甲斐なし」がある。

意味1

どうしようもない

[出典]土佐日記 紀貫之
「聞きしよりもまして、言ふかひなくぞこぼれ破れたる。」

[訳]:聞き知っていた以上に、どうしようもないほど壊れ傷んでいる。


意味2

ふがいない、情けない

[出典]十訓抄
「昨日の仰せに、鴬やるなと候ひしかば、いふかひなく逃し候ひなば...」

[訳]:昨日の仰せでは、鶯を行かせるなとのことでしたので、ふがいなく逃してしまったら...




意味3

取るに足らない

[出典]枕草子 清少納言
「かかることは、いふかひなき者の際にやと思へど...」

[訳]:このようなことは、取るに足らない(身分の)者がやることだと思うのだが...


意味4

幼稚である、たわいない

[出典]源氏物語 紫式部
「いで、あな幼や。言ふかひなうものし給ふかな...」

[訳]:いやもう、まあ幼いことですよ。幼稚でいらっしゃるのですね...

※「言ふかひなう」は「言ふかひなし」の連用形のウ音便

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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