ねんごろなり/懇ろなり
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
ねんごろなり/懇ろなり」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
※「ねむごろなり」とも表記される。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | ねんごろなら | ◯ |
連用形 | ねんごろなり | ねんごろに |
終止形 | ねんごろなり | ◯ |
連体形 | ねんごろなる | ◯ |
已然形 | ねんごろなれ | ◯ |
命令形 | ねんごろなれ | ◯ |
■意味1
熱心に、丁寧に。
[出典]:
伊勢物語
「狩りは
ねむごろにもせで、酒をのみ飲みつつ、やまと歌にかかれりけり。」
[訳]:狩りは
熱心にはせずに、お酒を飲みながら、和歌に熱中していました。
■意味2
互いに親しい、懇意である。
[出典]:
更級日記 菅原孝標女
「
ねんごろに語らふ人の、かうて後おとづれぬに...」
[訳]:
親しくお付き合いをしていた人が、このようなことの後は便りもないので...
■意味3
一途である、一生懸命である。
[出典]:
伊勢物語
「三年来ざりければ、待ちわびたりけるに、いと
ねむごろに言ひける人に...」
[訳]:3年間来ることがなく、(女は)待ちくたびれてしまったのだが、たいそう
一途に(女を)口説いた人が...