まほし
このテキストでは、古文の助動詞「
まほし」の意味、解説とその使用例を記しています。
助動詞
未然形 | (まほしく) | まほしから |
連用形 | まほしく | まほしかり |
終止形 | まほし | ◯ |
連体形 | まほしき | まほしかる |
已然形 | まほしけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | ◯ |
※動詞、または動詞形活用の助動詞の未然形に付く。
■意味1:自分の願望、希望
(自分が)
〜したい。
[出典]:
物語・源氏の五十余巻 更級日記
「紫のゆかりを見て、続きの見
まほしくおぼゆれど...」
[訳]:(源氏物語の)紫の上に関するところを見て、続きが見
たいと思うのだが...
■意味2:他人の願望、希望
(他人が)
〜したい、〜したがっている。
[出典]:竹取物語
「あるいはおのが家に籠り居、あるいはおのが行かまほしき所へ往ぬ。」
[訳]:自分の家に籠る者もいれば、自分の行きたいところへ行ってしまう者もいる。
■意味3:他人/物事への願望、希望
(他人や物事対して)
〜してほしい。
[出典]:
仁和寺にある法師 徒然草
「少しのことにも、先達はあら
まほしきことなり。」
[訳]:ちょっとしたことでも、先導役はいて
ほしいものである。
※「あらまほし」は、ラ行変格活用の動詞「あり」の未然形に「まほし」が付いた形。「あらまほし」をひとつの言葉(形容詞)として用いることもある。