きよげなり/清げなり
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
きよげなり/清げなり」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | きよげなら | ◯ |
連用形 | きよげなり | きよげに |
終止形 | きよげなり | ◯ |
連体形 | きよげなる | ◯ |
已然形 | きよげなれ | ◯ |
命令形 | きよげなれ | ◯ |
■意味1
(自然などが)
さっぱりとしている、きれいだ。
[出典]:
をりふしの移り変わるこそ 徒然草
「山吹の
清げに、藤のおぼつかなきさましたる...」
[訳]:山吹の花が
さっぱりとしてきれいに咲き、藤の花がぼんやりとはっきりしない様子が...
■意味2
(容姿などが)
こざっぱりとして美しい。
[出典]:
物語・源氏の五十余巻 更級日記
「夢に、いと
清げなる僧の、黄なる地の袈裟着たるが来て...」
[訳]:夢に、たいそう
こざっぱりとして美しい僧で、黄色い地の袈裟を着ている人が来て...
■意味3
見事だ、立派だ。
[出典]:今昔物語集
「ほどなく、いときよげなる食物を持て来たりたり」
[訳]:ほどなくして、たいそう見事な食べ物を持ってきた...
■備考
「きよげなり」と「きよらなり」の違いは、「きよらなり」の方が程度が強く、身分の高い人に使われている。