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韓非子『侵官之害』現代語訳(口語訳)・書き下し文と解説

著者名: 走るメロス
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現代語訳(口語訳)

昔、韓の昭侯が酔って寝てしまったことがありました。
冠を管理する職の者が君主が寒そうにしているのを見て、衣服を君主の上にかけました。
(昭侯が)眠りから覚めると(衣がかけてあったことに)喜んで、側近の者に尋ねました。




「誰が衣をかけてくれたのか。」と。


側近の者が答えて言いました。

「冠を管理する者です。」と。


君主はこれによって衣を管理する職にある者と冠を管理する職にある者をともに罰しました。
衣を管理する職にある者を罰したのは、自分の職責を全うしていないと考えたからです。
冠を管理する職にある者を罰したのは、自分の役割を越えたことをしたからです。
寒さを苦手としないわけではないですが、(他人の)職務を侵すことの弊害は寒さのそれよりも重たいものだと思ったからです。
名君が家臣を待遇するときには、家臣は(自分の)官職を越えて功績を得ることはできず、意見を述べて(その通りに)実行しないことは許されません。





(自らの)官職を超えたことを行えば死刑にされ、述べたことを実行しなければ処罰されます。
(家臣らが)自分の官職の範囲を守って、言動の整合性がとれているのであれば、家臣たちは仲間を組んで君主にさからうことはできないのです。

単語・文法解説

非不悪寒也「非不A」で「〜(せ)ざるにあらず」と読み、「〜しないのではない」と二重否定の意味で訳す
畜臣家臣を待遇する
朋党仲間を組む
相為君主にさからう



著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
『教科書 探求古典B 漢文編』 桐原書店

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