積の法則
和の法則と同様、難しそうなタイトルがついていますが、こちらも言葉を覚える必要はありません。大切なのは、感覚をつかむことです。ここではまず、積の法則とは何なのかについて説明し、それから、どのような問題がこの積の法則を使って解くことができるのかをみていきます。
では早速、積の法則を使った問題をみてみましょう。
<問題>
レストランでケーキと飲み物のついたケーキセットをたのみました。2種類のケーキa,bと3種類の飲み物x,y,zが用意されています。それぞれ1つずつ選ぶ時、その選び方が何通りあるのかを考えてみましょう。
実を言うと、和の法則だろうが積の法則だろうが、
樹形図を書くと、問題の多くを解くことができます。では早速書いてみましょう。
わかりやすくするために、2種類のケーキa,bを選ぶのを事象A、3種類の飲み物x,y,zを選ぶのを事象Bとします。
それぞれ3通りずつあるので答えは
6通りです。このような問題は樹形図を書くのも簡単でした。しかしこの設問に加えて、「ここで食べるかテイクアウトかの2通りを選び、お皿を次の4通りから選んで、グラスは次の8通りから選ぶ」となるとどうでしょう。樹形図を書けることは書けるのですが、時間がかかってしまいますよね。そのために、これから学習する計算方法を知っておくのは大切なことになります。
積の法則とは
Aは2通り、Bは3通りなので
2×3=6
とする計算方法です。では、なぜこの問題では"積の法則"を使うことができるのかを考えてみましょう。
積の法則を使うための条件
積の法則も和の法則と同じく万能というわけではないので、使える問題と使えないがあります。積の法則が使える問題は、
与えられた事象が同時に起こる問題です。和の法則が使えるのは、
与えられた事象が同時には起こらない場合でしたので、反対ということになります。ではどういうことか、先ほどの問題で解説しましょう。
2種類のケーキa,bを選ぶのを事象A、3種類の飲み物x,y,zを選ぶのを事象Bとしたんでしたね。このとき事象Aと事象Bは同時に起こるかそれとも起こらないかを考えてみてください。
同時に起こりますね。事象Aでケーキaを選ぼうがbを選ぼうが、飲み物の選び方(事象B)は必ず起こります。このように、
与えられた事象が同時に起こる問題のときに、積の法則を用いることができます。教科書のようにまとめると次のようになります。
XとYという2つの事柄があり、XとYは同時に起こるとする。Xの起こるのがm通り、Yが起こるのがn通りあるとき。XかつYが起こる場合の数は、"m×n"通りとなる。
それでは練習問題を通して、積の法則について慣れていきましょう。