増減表の書き方
増減表を書くためには、"y=f'(x)"の値が増え始める点、または減り始める点を調べることが大切です。例えば"y=x²"のグラフでは、"x=0"が、yの値が減少から増加に切り替わる点です。これは"y=x²"のグラフをみることですぐわかります。
ステップ1
"y=f(x)"の増減を調べるために、"y'=f'(x)"のグラフを書く
"y=x²"のような簡単なグラフでは、"y=x²"のグラフを書くことでyの値が変化するポイントを導くことができますが、式が難しくなると、簡単に導くことができるか不安になってきます。そこで、
"y=f(x)"の増減を調べるために、"y'=f'(x)"のグラフを書く
※慣れるまでは必ずこれをするようにしましょう。
例えば"y=x²"では、"y'=2x" なので、次のようなグラフを書きます。
ステップ2
グラフが書けたら次のことを調べます。
グラフがx軸と交わる点のxの値を調べる
"y'=2x"であれば、x=0のときにx軸と交わりますね。
この点こそが、yの値が減少から増加に切り替わる点です。
①の範囲ではy'が正なので、"y=x²"のyの値は増加し、②の範囲ではy'が負なので、"y=x²"のyの値は減少します。なぜ接線の傾きの大きさでグラフの増減が決まるのかがわからない人は、「
増減表を作るのになぜ微分係数を用いるのか」を読んでください。
今回は"y=x²"を例にみましたが、試験では3次式や4次式の増減表を作る問題がよく出題されます。では、以上のことをふまえて、次の問題を解いてみましょう。増減表の書き方の残りはそこで説明します。
問題
次の関数の増減を調べなさい
f(x)=x³−3x²+4
"f'(x)=3x²−6x"なので、まずはこのグラフを書きます。
グラフより、x=0とx=2のときに"f(x)"の増減が切り替わることがわかります。
ステップ3
切り替わる点がわかったところで、増減表を書いていきましょう。まず、次のような表を作ります。この表の箱の数は、解く問題によってかわりますが、基本的な形は同じなので覚えるようにしましょう。
問題によって、f(x)がyとなる場合もあるので、それは問題文にあわせてください。
ステップ4
次に、x=0、x=2のときのf'(x)とf(x)の値をそれぞれ表に記入します。
ステップ5
続いて、"x≦0"、"0≦x≦2"、"2≦x"の3つの範囲で、f'(x)の値が正か負かを記入します。これは、先ほど書いたグラフを見ればすぐにわかります。
"x≦0"と"2≦x"の範囲ではf'(x)は正の値をとり、"0≦x≦2"の範囲ではf'(x)は負の値をとります。
ステップ6
最後に、"x≦0"、"0≦x≦2"、"2≦x"の3つの範囲で、f(x)の値が増えているのか、それとも減っているのかを記入します。これも、先ほどのグラフを見ればすぐにわかります。
これで増減表が完成しました。
しかしこれで終わりではありません。今解いているのは、
関数の増減を調べなさいという問題なので、次のようにしめくくります。
区間"x≦0"と"2≦x"でf(x)は増加し、区間"0≦x≦2"の範囲でf(x)は減少する。
「区間」が新しい言葉ですので、覚えるようにしましょう。