十字軍の影響
このように、最初キリスト教徒の聖地奪還という純粋な宗教的目的から発生した十字軍の聖戦ですが、次第にそれ以外の目的へとなっていきました。
この200年間、イスラム勢力や十字軍の遠征によりビザンツ帝国は弱体化し、また、第4回十字軍の招集以降、ヴェネツィアに誘導された結果によって、ローマ教皇の権威も失墜します。
他方西ヨーロッパ社会では、度重なる遠征で諸侯や騎士が次第に没落していき、代わりに国王の権力が伸長します。
また、ビザンツ帝国の弱体化に成功したヴェネツィアなどの北イタリア諸都市は、その後地中海の商圏を掌握することで、東方貿易の莫大な利益を得ることになるのです。
おわりに
十字軍は、宗教的動機づけから始まったにもかかわらず、さまざまな思惑によってついに聖地回復に至ることはありませんでした。しかし、この十字軍の活動は、その後さまざまな形で西ヨーロッパ社会を変容させる要因となりました。