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枕草子 原文全集「ありがたきもの」

著者名: 古典愛好家
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ありがたきもの

ありがたきもの。舅(しゅうと)にほめらるる婿。

また、姑(しゅうとめ)に思はるる嫁の君。

毛のよく抜くる銀(しろかね)の毛抜き。

主そしらぬ従者(ずさ)。

つゆのくせなき。


かたち、心ありさま、すぐれ、世にふるほど、いささかの疵(きず)なき。

おなじ所に住む人の、かたみに恥かはし、いささかのひまなく用意したりと思ふが、つひに見へぬこそかたけれ。


物語、集など書きうつすに、本に墨つけぬ。

よき草子(そうし)などはいみじう心して書けど、かならずこそきたなげになるめれ。

男、女をば言はじ、女どちも、契(ちぎ)りふかくてかたらふ人の、末までなかよき人、かたし。
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・枕草子 原文全集「ありがたきもの」

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松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 上」 新潮社

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