集合と要素
集合とは
"グループ"です。そして
要素とは、
そのグループの"メンバー"のことを指します。
例えばビートルズ。みなさんご存知かと思いますが、ビートルズという「グループ」は数学でいう"
集合"です。ビートルズのメンバーは「ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター」の4人ですが、この4人のことを、ビートルズという集合を構成する"
要素"といいます。図に書くとこうなります。
4人を囲むグループ(ビートルズ)が
集合で、集合を構成する4人が
要素です。
では集合と要素の意味がわかったところで、これから集合と要素を数学的にどう表すかをみていきます。
集合と要素の表し方
① A={○、○、○、○、・・・}
② A={x|xを満たす条件}
集合を数学的に表すには、上に書いた2つの方法があります。どちらも集合Aを表しています。
①は"{}"の中に、集合を構成する要素をすべて書きだす方法です。
ビートルズ={ポール、ジョン、ジョージ、リンゴ}
ビートルズを例に書くと、こうなりますね。
ビートルズのように、集合を構成する要素が4人だけだとすべて書きだすのは簡単ですが、すべて書きだすには大変な場合に役立つのが②です。
A={x|xを満たす条件}
まず、「集合Aはxである」と書きます。(赤文字の部分)
A={x
|xを満たす条件}
では「xって何?」ということを、赤文字の部分に書きこみます。
ビートルズを例に出すと
ビートルズ={x|xはビートルズのメンバー}
となります。
集合はこの2つの方法で表すことができることを理解しておいてください。
有限集合と無限集合
有限集合と
無限集合という言葉があります。例えば
① A={x|100の約数}
② B={x|xは2の倍数}
①の集合Aを構成する要素「100の約数」には限りがあります。全部書くのは億劫ですが、「1、2、4、5、…100」とすべてを書きだすことができますね。要素に限りがある集合のことを、
有限集合といいます。
一方で②の集合Bを構成する要素「xは2の倍数」はどうでしょう。xが永遠に増える限り、集合Bを構成する要素は無限に増え続けます。つまり「終わりがない=無限」なんですね。無限に要素がある集合のことを
無限集合といいます。
集合を表す記号
次に集合を表す記号を覚えていきましょう。
ここで紹介する記号は、"
∈"と"
∉"です。"∈"のことを"
属する"と読みます。
「ポール、ジョン、ジョージ、リンゴ」∈ビートルズ
と書くことで、要素(メンバー4人)は集合(ビートルズというグループ)を構成するものであることを示します。
ちなみに要素が集合を構成するものでないときは、"∉"を使います。例えば
マイケル・ジャクソン∉ビートルズ
と書くことで、マイケル・ジャクソンは、ビートルズを構成する要素ではない(メンバーではない)ということがわかります。
では、練習問題を通してここまで学習してきたことを身につけていきましょう。
練習問題
問題
12の正の約数全体の集合をAとするとき、"2"と"5"と集合Aとの関係を、"∈"または"∉"を使って表しなさい
12の正の約数は、1、2、3、4、6、12なので、2は集合Aの要素で、5は集合Aの要素ではないことがわかります。以上のことから「2∈A」、「5∉A」が答えとなります。