式の展開
式を展開するときに、
ちょっとした工夫をすることで楽に展開ができるようになります。練習問題を解きながら、楽に展開をする方法を身につけていきましょう。
練習問題
問題 次の式を展開せよ
(1) (x+1)(x+2)(x-1)(x-2)
(2) (a+b)²(a-b)²
■(1) (x+1)(x+2)(x-1)(x-2)
ここでは、
項の順番を並び替えることで計算を考えてみます。
"(x+1)(x+2)(x-1)(x-2)"を並び替えて"(x+1)(x-1)(x+2)(x-2)"とします。
"(x+1)(x-1)"と"(x+2)(x-2)"の展開は、
"(a+b)(a-b)=a²-b²"という乗法公式で展開ができそうですね。
(x+1)(x-1)(x+2)(x-2)=(x²-1)(x²-4)
続いて(x²-1)(x²-4)を展開していきます。
この展開は、
"(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab"という乗法公式を用いて行います。
(x²-1)(x²-4)
=(x²)+(-1-4)x²+(-1)×(-4)
=x⁴-5x²+4
"(x+1)(x+2)(x-1)(x-2)"を1つ1つ展開するよりも、時間を節約して解くことができますね!
■(2) (a+b)²(a-b)²
■解法1
ここでも項の順番を並び替えてみましょう。
(a+b)²(a-b)²
=(a+b)(a+b)(a-b)(a-b)
=(a+b)(a-b)(a+b)(a-b)
(a+b)(a-b)を先に計算すると
(a+b)(a-b)(a+b)(a-b)
=(a²-b²)(a²-b²)
=(a²-b²)²
"(a+b)²=a²+2ab+b²"という乗法公式より
(a²-b²)²
=(a²)²-2a²b²+(b²)²
=a⁴-2a²b²+b⁴
■解法2
別の解き方としては、
(a+b)²(a-b)²={(a+b)(a-b)}²
であることを覚えておくと便利でしょう。
指数法則で、"(ab)²=a²b²"でしたね。
逆に考えると、"a²b²=(ab)²"ということになります。
ここで、ややこしいですが、aを(a+b)に、bを(a-b)に置き換えてみます。すると
(a+b)²(a-b)²={(a+b)(a-b)}²
が成り立つことがわかります。このことから
(a+b)²(a-b)²を見た瞬間に、"(a+b)²(a-b)²={(a+b)(a-b)}²"と考えて構いません。