はじめに
このテキストでは、
万葉集に収録されている歌「
瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲はゆ いづくより来りしものそ目交にもとなかかりて安眠しなさぬ」の現代語訳・口語訳と解説、品詞分解をしています。作者は山上憶良です。
原文
【長歌】
瓜食めば子ども
思ほゆ栗食めば
まして偲はゆ
いづくより
来りしものそ
目交に
もとなかかりて
安眠し
なさぬ
【反歌】
銀も金も玉も何せむに
優れる宝子に
しかめやも
ひらがなでの読み方
うりはめば こどもおもほゆ くりはめば ましてしぬはゆ
いづくより きたりしものそ まなかひに もとなかかりて やすいしなさぬ
【反歌】
しろかねも くがねもたまも なにせむに まされるたから こにしかめやも
現代語訳
瓜を食べれば(残してきた)子どものことが自然に思われる。粟を食べれば、いっそうしのばれる。
いったい子どもたちはどこから来たものなのだろうか(どのような縁で、私の子どもとしてやってきたのだろうか)。目の前にやたらと(子どもたちの姿が)ちらついて、安眠させてくれないことよ。
【反歌】
銀も金も宝石も、どうしてそれらより優れている子ども(という宝)に宝として及ぶだろうか。いや及ぶまい。
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