源氏物語『若紫』のわかりやすいあらすじ・主な登場人物の紹介
このテキストでは、
源氏物語の第五帖『
若紫』(わかむらさき)のあらすじを短くわかりやすく記しています。現代語訳の他、主な登場人物などもまとめています。
若紫のあらすじ
18歳の春。病気にかかり北山で治療を受けるた光源氏は、たまたま通りかかった家で、密かに恋仲にあった藤壺に似た少女(後の紫の上/当時は10歳ぐらい)を垣間見ました。この少女は藤壺の兄(兵部卿宮)の子で、母親が亡くなってからは、祖母の北山の尼君に育てられていました。光源氏は後見人としてこの少女を引き受けることを申し出ますが、断られてしまいます。
4月。藤壺と光源氏は一度だけ逢瀬を果たし、藤壺は光源氏の子を妊娠していました。
秋になり尼君が亡くなると、兵部卿宮は少女を引き取ろうとします。これを知った光源氏は、身寄りのなくなった少女とその乳母を二条院に連れて帰り、少女を自分の理想の女性に育てようと考えるのでした。
■現代語訳
源氏物語「若紫・北山の垣間見・若紫との出会い(日もいと長きにつれづれなれば〜)」の現代語訳・解説
主な登場人物
■光源氏(18歳)
■葵の上
光源氏の正妻。光源氏が病気になったにもかかわらず見舞いもしなかった。これは、日ごろ女遊びに現を抜かす光源氏への当てつけでもあったが、この一件で、光源氏との仲はさらに冷えたものとなる。
■藤壺の宮
光源氏の父桐壺帝の中宮。密かに恋仲にある光源氏の子を身ごもる。
■紫の君
のちに光源氏の妻となり紫の上と呼ばれる。兵部卿宮の娘(藤壺宮のめい)。
■尼君
紫の君の祖母。
源氏物語とは
源氏物語は平安中期に成立した長編小説です。一条天皇中宮の藤原彰子に仕えた
紫式部が作者とするのが通説です。
おすすめの書籍
【あさきゆめみし】
源氏物語は、文字で読むには非常に難解な物語だと思います。一人の人物を指す言葉が何パターンもあるというのが理由の一つです。例えば第一帖「
桐壺」に出てくる
・男御子
・御子
・君
・若宮
・宮
・源氏の君
・光る君
・源氏
という言葉はすべて、光源氏のことを指しています。光源氏の初恋の相手である藤壺を指す言葉は「先帝の四の宮、后の宮の姫宮、藤壺、御方、宮、かかやく日の宮」、桐壺更衣をいじめる弘徽殿女御を指す言葉は「右大臣の女御、一の御子の女御、弘徽殿、御方、女御、弘徽殿の女御、春宮の女御」と、非常に多くの表現が用いられており、このことが源氏物語を読みづらくしている要因の一つだと思います。そこでお勧めなのが漫画でイメージを掴むことです。特にここで紹介する
あさきゆめみしは、半世紀近く読み親しまれてきた漫画の決定版だと思います。
読むのが難解な源氏物語を、まずは漫画で気軽に感じてみてはいかがでしょうか。
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