杜甫 『月夜』の原文・書き下し文・現代語訳と解説
このテキストでは、中国の詩人「
杜甫」が詠んだ漢詩「
月夜」の原文(白文)、書き下し文、わかりやすい現代語訳・口語訳とその文法解説(五言律詩/押韻/対句など)を記しています。
この漢詩は、杜甫が戦の最中、長安で軟禁されたときに詠まれたものです。 有名な「
春望」という漢詩も、この時期に詠まれたとされています。
白文(原文)
※左から右に読んでください
今 夜 鄜 州 月
閨 中 只 独 看
遥 憐 小 児 女
未 解 憶 長 安
香 霧 雲 鬟 湿
清 輝 玉 臂 寒
何 時 倚 虚 幌
双 照 涙 痕 乾
書き下し文
今 夜
(※1)鄜 州 月
今夜 鄜州の月
こんや ふしゅうのつき
(※2)閨 中 只 独 看
閨中只だ独り看るらん
けいちゅう ただひとり みるらん
遥 憐
(※3)小 児 女
遙かに憐れむ小児女の
はるかにあはれむ しょうじじょの
(※4)未 解 憶 長 安
未だ長安を憶ふを解せざるを
いまだちょうあんをおもふをかいせざるを
(※5)香 霧 (※6)雲 鬟 湿
香霧雲髪湿ひ
こうむ うんかんうるおひ
(※7)清 輝 (※8)玉 臂 寒
清輝玉臂寒からん
せいき ぎょくひさむからん
何 時 倚
(※9)虚 幌
何れの時か虚幌に倚りて
いづれのときかきょこうにより
双 照 涙 痕 乾
双び照らされて涙痕乾かん
ならびてらされて るいこんかわかん
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