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『赤壁の賦』(蘇子曰客亦知夫水与月乎〜)現代語訳・書き下し文と解説

著者名: 走るメロス
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蘇軾『赤壁の賦』

ここでは、中国の詩人、政治家であった蘇軾の著した『赤壁の賦』(蘇子曰客亦知夫水与月乎〜)の書き下し文、現代語訳とその解説を行っています。

原文(白文)

蘇子曰、
「客亦知夫水与月乎。
逝者如斯、而未嘗往也
盈虚者如彼、而卒莫消長也。
蓋将自其変者而観之、則天地曾不能以一瞬。
自其不変者而観之、則物与我皆無尽也。
而又何羨乎
且夫天地之間、物各有主。
苟非吾之所有、雖一毫而莫取
惟江上之清風与山間之明月、耳得之而為声、目遇之而成色。
取之無禁、用之不竭。
是造物者之無尽蔵也。
而吾与子之所共適。」


客喜而笑、洗盞更酌。
肴核既尽、杯盤狼藉。
相与枕藉乎舟中、不知東方之既白。

書き下し文

蘇子曰はく、
「客も亦夫(か)の水と月とを知るか。
逝く者は斯のごとくなれども、未だ嘗て往かざるなり。
盈虚(えいきょ)する者は彼のごとくなれども、卒(つい)に消長する莫きなり。
蓋(けだ)し将に其の変ずる者よりして之を観れば、則ち天地も曾て以て一瞬なる能(あた)はず。
其の変ぜざる者よりして之を観れば、則ち物と我と皆尽くること無きなり。
而るに又何をか羨(うらや)まんや。
且つ夫(そ)れ天地の間、物各(おのおの)主有り。
苟(いや)しくも吾の有する所に非(あら)ずんば、一毫(いちごう)と雖(いへど)も取ること莫し。
惟だ江上の清風と山間の明月のみ、耳之を得て声を為し、目之に遇ひて色を成す。
之を取れども禁ずる無く、之を用ゐれど竭(つ)きず。
是れ造物者の無尽蔵なり。
而して吾と子との共に適する所なり。」と。


客喜びて笑ひ、盞(さかずき)を洗ひて更に酌(く)む。
肴核(こうかく)既に尽きて、杯盤狼藉(はいばんろうぜき)たり。
相与に舟中に枕藉(ちんしゃ)して、東方の既に白むを知らず。

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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
『教科書 高等学校 古典B 漢文編』 三省堂

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