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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / ローマ帝国

ローマ帝国の主要な皇帝たち ~時代背景とその業績~

著者名: レキシントン
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はじめに

ローマ帝国は、長い間、高度な文明を築いた国家として存在していました。
このテキストでは、そのローマ帝国に君臨した主要な皇帝たちを、整理してみます。

オクタヴィアヌス(前63~後14)

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カエサルの養子で、カエサル亡き後アントニウスレピドゥスとともに第二回三頭政治を行う。

・前31年にアントニウス・クレオパトラ率いるエジプト軍をアクティウムの海戦で粉砕し、エジプトのプトレマイオス朝を滅亡させる。その後、エジプトを併合し、全地中海をローマの領土にする。

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(アクティウムの海戦)

・前27年には、その功績を認められ元老院からアウグストゥス(尊厳者)の尊称をうける。オクタヴィアヌスは共和制の形式を尊重する姿勢をとったため、自分は第一の市民という意味のプリンケプスを自称した。しかし、実際には様々な要職の実権を握ったことで、事実上の帝政のはじまり、初代ローマ帝国皇帝となった。

・アウグストゥスから、五賢帝の時代までの200年間をパックス=ロマーナ(「ローマの平和」)という。

ネロ(在位54~68)

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・ストア派哲学者セネカに学び、当初は善政を行う。しかしその後セネカに自殺を強要し、死に至らしめた。
・64年にローマで大火が起こった際に、キリスト教徒にその責任を負わせる。キリスト教徒迫害のはじまり。キリストの使徒ペテロパウロはこの時に殉教したと伝えられる。

ネルヴァ(在位96~98)

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・五賢帝の最初の皇帝。
・治世が短く、養子トラヤヌスに全権をゆずる。

トラヤヌス(在位98~117)

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・五賢帝の一人。スペイン出身で、当時ローマ帝国初の属州出身の皇帝。
ダキア(ルーマニア)を平定し属州とし、東のパルティアを破り、一時メソポタミアを征服し、ローマ帝国の最大版図を実現。

ハドリアヌス(在位117~138)

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・五賢帝の一人。拡大する帝国の周辺防備を固めるために、ブリタニア(イギリス)にハドリアヌスの長城を建設。
・内政や属州の発展にも務めた皇帝。

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(ハドリアヌスの長城)

アントニヌス=ピウス(在位138~161)

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・五賢帝の一人。ローマ帝国の財政改革と、貧民救済事業に務めた。

マルクス=アウレリウス=アントニヌス(在位161~180)

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・最後の五賢帝。学問を好み、哲人皇帝とも呼ばれ、ストア派の理念に基づく『自省録』という作品を残した。
・異民族の侵入から帝国を守るために、生涯の多くを陣中で過ごした。
・中国の『後漢書』に出てくる大秦王安敦はこのマルクス=アウレリウス=アントニヌスだと言われている。

カラカラ(在位211~217)

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・212年にアントニヌス勅令を出し、ローマ帝国の全自由民にローマ市民権を与えた。この時以降、ローマ人と外人の区別がなくなり、ローマは世界帝国になっていく。
・本名はアントニヌスだが、好んできていたガウン(カラカラ)が由来となり、カラカラ帝と呼ばれる。

ヴァレリアヌス(在位253~260)

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・軍人皇帝時代の皇帝。
・ササン朝ペルシアとの戦争の際、エデッサの戦いに敗れ、ササン朝のシャープール1世の捕虜となる。

ディオクレティアヌス(在位284~305)

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・最後の軍人皇帝。
・軍人皇帝時代のローマの混乱をおさめ、ドミナートゥス(専制君主制)を開始。
・首都をニコメディアに遷都。
・ローマの伝統的神々の信仰復活と皇帝崇拝を強化するため、キリスト教に対する最後の大迫害を実施。

コンスタンティヌス(在位306~337)

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・313年にミラノ勅令を発布し、キリスト教を公認
・325年にはニケーア公会議を開き、アタナシウス派を正統教義に認定。異端となったアリウス派は追放され、以後ゲルマン民族に伝道される。
・330年には、帝国の首都をコンスタンティノープル(ビザンティウム)に遷都。
・帝国を再度統一して官僚制の整備やコロヌス(農奴的小作人)の移転を禁止し、職業や身分の固定化を実施。
ソリドゥス金貨を鋳造し、商工業を発展させる。

テオドシウス(在位379~395)

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・392年に、ローマ帝国で公認されたキリスト教を国教化
・その後395年にローマ帝国を東西に分け、東ローマ帝国を長子アルカディウスに、西ローマ帝国を次子ホノリウスに譲る。
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『教科書 世界史B』 山川出版社
『世界史B 用語集』 山川出版社

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