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古文単語「おくる/後る/遅る」の意味・解説【ラ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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おくる/後る/遅る

このテキストでは、ラ行下二段活用の動詞「おくる/後る/遅る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ラ行下二段活用

未然形おくれ
連用形おくれ
終止形おくる
連体形おくるる
已然形おくるれ
命令形おくれよ


意味1:自動詞

遅れる、遅くなる

[出典]:花宴 源氏物語
遅れて咲く桜ニ木ぞいとおもしろき。」

[訳]:(見頃よりも)遅れて咲く二本の桜はとても趣深い。


意味2:自動詞

取り残される、一緒に行けない、後に残る

[出典]:大湊の泊 土佐日記
「行く先に立つ白波の声よりもおくれて泣かむ我や勝らむ」

[訳]:(あなた方が帰るために乗った)船が進む先に立つ白波の音よりも、後に残って泣く私の声の方が大きいことでしょう。




意味3:自動詞

先立たれる、死に後れる

[出典]若紫・北山の垣間見 源氏物語
「故姫君は、十ばかりにて殿に後れ給ひしほど、いみじうものは思ひ知り給へりしぞかし。」

[訳]:亡くなった姫君は、十歳ぐらいで殿に先立たれなさったときには、とても道理を理解していらっしゃったのですよ。


意味4:自動詞

(性質や才能が)
物足りない、劣る、乏しい

[出典]木の花は 枕草子
「愛敬おくれたる人の顔などを見ては...」

[訳]:魅力が乏しい人の顔などを見ては...




意味5:自動詞

(髪が)
まだ伸びない

[出典]:葵 源氏物語
「むげに後れたる筋のなきや...」

[訳]:まったくまだ伸びないでいる毛が(額に)ないのも...


意味6:自動詞

気後れする

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