スペインの植民地統治
スペインはこの時代、世界中に多くの植民地を持っていましたが、特に南米の植民地での統治は、はじめ
レパルティミエント制によって支えられました。
植民地は本国から任命された統治者に任せられましたが、彼らに対する俸給が少なかったため、私利を増やすために一般商品を強制的に高値でインディオに販売する制度として
レパルティミエント制が制定されます。しかし、一般商品の高騰や伝染病などにより多くのインディオが死亡すると、これに変わって
エンコミエンダ制に移行します。
エンコミエンダ制は先住民をキリスト教に改宗させ保護することを口実に、実質的に租税や労役の権利をスペイン王室が認めたものでした。
エンコミエンダ制への移行は、残念ながらインディオの保護では無く、徹底的な搾取へと向かってしまいます。
この時代のインディオの搾取の現状を、
ラス=カサスという修道士が「インディアスの破壊に関する簡潔な報告」にまとめ、批判しています。
先住民の激減を受けて、1517年に黒人奴隷をアフリカ大陸から供給する権利を与えたアシエント制が制定されると、本格的な奴隷制度が開始されました。
こうして、南米植民地において事実上の奴隷制度が定着し、スペイン帝国の礎が築かれることになるのです。
世界の一体化
スペイン帝国の繁栄と共に、植民地からの豊富な銀の産出をうけて、ヨーロッパに多くの銀がもたらされました。
この銀の流入は、それまでのヨーロッパ経済を一変させるものでした。
ヨーロッパ全域に銀の絶対量が増えたため、激しいインフレーションが起こったのです。
インフレーションが起こったため、それまでの伝統的な地代に依存していた封建領主の収入は、相対的に激減してしまいました。
封建領主の没落が決定的になったのです。
一方で、貿易や商業に携わる
商工業者は富を増やし、新しい階層として影響力を持つことになりました。
また、ヨーロッパの銀は、世界的に様々な貿易の決済手段としてアジアやアフリカなど様々な地域にもたらされ、世界経済が成立し、
世界の一体化が進んでいきました。
おわりに
スペインの絶対王政の確立は、広大な植民地経営を背景とした潤沢な富によって支えられていました。スペインはヨーロッパ経済、ひいては世界の一体化に大きな影響を与えた国家だったと言えます。