現代日本の大きな課題となっている少子高齢化とはどのような現象なのでしょう。このテキストは、人口構成を始めとして、この課題について解説します。
人口構成と人口ピラミッド
人口構成という言葉を聞いたことがありますか。
これは、一国の総人口に占める年齢別人口の割合のことです。
この人口構成は、時代や地域ごとによって大きく異なります。
人口構成を示したグラフを
人口ピラミッドと言いますが、人口の推移によって形が変化していきます。
下記の図は、人口ピラミッドの変遷を示しています。
一番左が
多産多死のピラミッド型で、右に行くにつれて
少産少死のつりがね型、一番右は
人口減少を示すつぼ型です。
現在の日本はつぼ型の人口構成となっています。
日本における少子高齢化社会の特徴
日本の少子高齢化社会は以下のような特徴があります。
高い高齢化率
長寿国になったと同時に、日本の
高齢化率のスピードは年々増しています。現在の速度だと、2050年には全人口の3人に1人が高齢者という計算になります。
現役世代の負担増
少子高齢化が進むことで、高齢者1人を支える現役世代が減っていきます。労働力や税金を納める立場の現役世代は、年金や医療、介護を含めた社会保障の担い手として、重い負担を抱えるようになります。
租税負担力の低下
上記に関連して、少子化による生産年齢人口の現象は、国の労働力人口の現象を意味しているので、結果的にあらゆる
租税負担率が低下します。
少子化高齢化の原因
このような少子化高齢化が起こった原因は何なのでしょう。
まず、日本の場合、太平洋戦争後、1947年~1949年にかけて
第一次ベビーブームが起きました。この時生まれた人々を
団塊の世代と言います。
また、1971年から1974年まで、
第二次ベビーブームが起こり、この時生まれた人々を
団塊ジュニアといいます。
このように、過去には一時的に出生率の増加が見られましたが、現在では出生率は現象し続けており、一方で団塊の世代が高齢期を迎える時期にきており、日本は急速に少子高齢化社会となったのです。
出生率の現象にはいくつかの理由があります。
女性の高学歴化
女性の
高学歴化が進むことで、結婚よりも仕事やキャリアを選ぶようになりました。
非婚・晩婚化
男女ともに仕事や社会的地位を重視するようになり、上記と関連して
非婚・晩婚化が進んでいます。
社会的環境が不十分
女性の社会進出と出産や育児を両立するための社会制度が不十分です。
このような要因により、少子高齢化社会は進展しているのです。