はじめに
私たちの身の回りには、さまざまな情報があふれています。
このように、今日の情報化社会どのような社会で、その課題は何なのかを見て行きましょう。
高度情報化社会とは
さまざまなコミュニケーションを通じて情報を収集することは、私たちの生活の中で重要な活動の一つです。
現代に至るまで、
マス・メディアは、一つの情報源から多くの人々に情報を拡散させる重要な手段として認知されてきました。
新聞、雑誌、ラジオ、テレビなど、情報は常に一方通行でした。
その後登場した電話やファックスは、情報の双方向性を実現しましたが、それらは多数の人々に情報を伝える機能はありませんでした。
しかし、近年、インターネットの出現によって、コンピュータネットワークが双方向性と情報の大量伝達を可能にしたのです。
1990年代以降、
IT(情報通信技術)革命が起こり、コンピューターや通信回線の価格は劇的に下がり、多くの人が手軽にインターネットを利用できるようになりました。
また、携帯端末の進化は日々進み、近い将来、いつでも、どこでも、誰でも情報にアクセスすることのできる状況が実現すると考えられています。
このような社会を高度情報化社会と言います。
氾濫する情報
情報へのアクセスがしやすくなる一方で、大量に氾濫する情報をどのように選別するかという問題が出てきています。
情報にはさまざまなものがあり、中には悪意に満ちたものもあるかもしれません。
情報の信頼性が確かなのか、事実と大きく異なる情報操作が行われていないかなど、自分自身で情報を取捨選択する必要があります。
取捨選択の方法は様々ですが、一例をあげると次のような方法になるでしょう。
■複数の情報源を比較、検証する
■対立意見を客観的に検討する
■報道されていないまたは隠された情報がないか調べる
このように、高度情報化社会にとって必要な情報を取捨選択する力を、
メディア・リテラシーと言います。
サイバー犯罪
高度情報化社会では、さまざまな情報にアクセスしやすくなったため、生活は非常に便利になりました。
しかし、その一方で、
サイバー犯罪という犯罪も増えています。
匿名を背景としたインターネット世界では、時に名誉毀損に当たる書き込みや権利を侵害する情報やデータなどもあり、公序良俗に反する有害情報も含まれています。
また、不正アクセスやコンピュータウイルスなど、情報インフラそのものを毀損させる悪意に満ちたプログラムもあります。
高度情報化社会の課題
前に書いたように、悪意に満ちた有害情報が含まれるインターネット上では、さまざまな方法で自己防衛をしなければ、自分が気付かないうちに加害者となってしまう可能性もあります。
メディアやITに対する知識や関心をリテラシーと言いますが、この能力の向上は不可欠です。
高度情報化社会における大きな課題として、新しい端末やシステムが登場するに従って、リテラシーの重要性がますます高まり、情報入手の差が、そのまま格差に繋がる
デジタル・ディバイドが懸念されています。
これからは個人一人ひとりの責任によってこれらの能力を高めていく必要があります。