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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「イラン・イスラム共和国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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イラン・イスラム共和国

イラン・イスラム共和国(以下「イラン」、英語ではIslamic Republic of Iran)は、南アジア・中東に位置するイスラム共和制国家です。首都はテヘランです。

このテキストでは、イラン・イスラム共和国の特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


1.国土

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イランは、北にアルメニアとアゼルバイジャン、北東にトルクメニスタン、東にアフガニスタン、南東にパキスタン、、西にイラク、そして北西にトルコと国境を接しています。また、北はカスピ海、南はペルシャ湾とオマーン湾が面しています。国土面積は約164万8,195平方キロメートルで、日本の約4.4倍の広さを誇ります。地形は多様で、北部にはエルブルズ山脈が、中央部には広大な高原地帯が広がり、南部にはザグロス山脈が連なっています。

カスピ海沿岸の湿潤な地域から、中央部の乾燥した砂漠地帯まで、気候も地域によって大きく異なります。


2.人口と人種

イランの人口は約8,600万人(2023年:世界人口白書)で、多様な民族が共存しています。主要な民族はペルシア人で、全人口の約61%を占めます。その他、アゼルバイジャン人(約16%)、クルド人(約10%)、ルル人、バローチ人、アラブ人、トルクメン人、アルメニア人、グルジア人、アッシリア人など、多様な民族が存在します。この多様性が、イランの文化的豊かさの源泉となっています。


3.言語

イランの公用語はペルシア語(ファールシー)であり、政府、教育、メディアなどの公式な場で使用されています。しかし、国内には多くの民族が存在するため、アゼルバイジャン語、クルド語、アラビア語、バローチ語、トルクメン語など、地域や民族ごとにさまざまな言語が話されています。


4.主な産業

イランの経済は、石油と天然ガスの生産によって支えられています。世界有数の埋蔵量を誇り、特に石油産業は、国家収入の大部分を占めています。また、農業も主要な産業であり、小麦、米、大麦、綿花、果物、ナッツなどが生産されています。手工業や絨毯の生産も伝統的な産業として知られています。近年では、自動車製造、鉄鋼、石油化学、電子機器などの工業分野も発展しています。


5.主な観光地

イランには、古代ペルシア帝国の遺跡やイスラム建築など、数多くの歴史的・文化的な観光地があります。

テヘラン

首都テヘランには、ゴレスターン宮殿や国立博物館などの見どころがあります。

イスファハン

イラン中部の都市イスファハンは、「世界の半分」と称される美しい街並みが特徴です。イマーム広場やモスクなど、イスラム建築の傑作が数多く存在します。

シーラーズ

イラン南部の都市シーラーズは、詩人ハーフェズやサアディーの出身地であり、文学の香り漂う街です。詩人ハーフェズやサアディーの霊廟、ペルセポリス遺跡などがあります。


6.文化

イランの文化は、数千年にわたる歴史と多様な民族の影響を受けて形成されてきました。文学では、詩人フェルドウスィー、ルーミー、ハーフェズなどが世界的に知られています。音楽や舞踊も豊かで、伝統的な楽器やリズムが特徴的です。また、ペルシャ絨毯やミニアチュールなどの工芸品は、高い芸術性と技術を誇ります。宗教的には、イスラム教シーア派が主流であり、宗教行事や祝祭が人々の生活に深く根付いています。


7.スポーツ

イランでは、レスリングや重量挙げなどの伝統的なスポーツが盛んです。特にレスリングは、国技ともいえる存在で、多くの国際大会で活躍しています。また、サッカーも非常に人気があり、国内リーグや代表チームの試合は多くのファンを魅了しています。近年はワールドカップの常連国にその名を連ねています。さらに、バレーボールやバスケットボールも注目を集めており、若者を中心にプレーされています。


8.日本との関係

日本とイランの経済協力は、長年にわたり多岐にわたる分野で築かれてきました。特にエネルギー分野での協力が重要な位置を占めています。イランは世界第4位の石油埋蔵量と第1位の天然ガス埋蔵量を有しており、日本にとって主要なエネルギー供給国の一つです。

1. 石油・エネルギー分野での協力

イランは世界有数の産油国であり、日本はイランからの石油輸入に大きく依存してきました。1950年代から、日本企業はイランの石油開発に参画し、長年にわたり安定的な石油供給を確保してきました。近年では、再生可能エネルギー分野での協力も進んでいます。

2. 経済制裁と日本

2010年代以降、イランの核開発問題などをめぐり、国際社会による経済制裁が強化されました。日本もアメリカ合衆国などと歩調を合わせ、イランに対する制裁措置を実施しました。しかし、日本はイランとの伝統的な友好関係を重視し、制裁解除後には経済交流を再開しました。

3. インフラ整備支援

日本は、イランのインフラ整備を支援するため、円借款や技術協力を行ってきました。これまで、イランの鉄道、道路、港湾などの整備に貢献してきました。これらの協力は、イランの経済発展に寄与するだけでなく、二国間関係の強化にもつながっています。

4. 貿易関係

日本とイランの貿易は、石油を中心としたものですが、近年では、機械製品や化学製品などの輸出も増えています。日本は、イランにとって重要な貿易相手国の一つです。

5. 投資協定

2017年には、日本とイランの間で投資協定が締結されました。この協定は、両国間の投資を促進し、経済関係をさらに発展させることを目的としています。
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世界銀行 (World Bank) 公式サイト
CIA World Factbook
外務省
国際連合 (UN) 公式サイト

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