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中石器時代とは 旧石器時代と新石器時代をつなぐ時代 世界史用語44

著者名: ピアソラ
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中石器時代とは

中石器時代とは、旧石器時代と新石器時代の間にある時代です。旧石器時代は打製石器を特徴とし、新石器時代は磨製石器を特徴とします。中石器時代の物質文化は、旧石器時代よりも革新的で多様なものが見られます。

中石器時代は、おおよそ30万年前から3万年前までの期間に相当します。しかし、地域によっては、その始まりと終わりの年代に大きな違いがあります。

中石器時代は、地質学的には中更新世と後更新世の時代にあたります。現代人のアフリカ起源説によると、解剖学的に現代人と同じホモ=サピエンスが、中石器時代にアフリカから移動を始め、ネアンデルタール人やホモ=エレクトスなどの既存のホモ属の種を置き換え始めました。

中石器時代の人類は、環境に適応する能力が高く、さまざまな技術や行動を発達させました。例えば、火の使用、狩猟や採集の方法の改善、石器の多様化や精巧化、身体飾りや芸術の創造、言語や象徴的思考の発達などが挙げられます。



中石器時代の石器は、主に打製石器であり、石の割れ片を加工して作られました。中石器時代の石器には、レバロワ技法やムスティエ技法などの特徴的な製作法があります。レバロワ技法は、石の核を打撃することで、薄くて鋭い割れ片を大量に得ることができる技法です。ムスティエ技法は、割れ片をさらに加工して、刃の部分を整えたり、先端を尖らせたりする技法です。

中石器時代の石器は、地域によってさまざまな形や用途がありました。例えば、アフリカでは、アテリアンやミコキアンなどの石器文化がありました。アテリアンは、北アフリカで発達した石器文化で、割れ片に切り込みを入れて、槍や矢の先に取り付けることができる石器を作りました。ミコキアンは、東アフリカで発達した石器文化で、割れ片に両面に刃をつけて、斧やナイフのように使うことができる石器を作りました。

ヨーロッパでは、ネアンデルタール人が中石器時代の主な人類でした。彼らは、ムスティエ文化やシャテルペロニアン文化などの石器文化を持っていました。ムスティエ文化は、ネアンデルタール人の最も一般的な石器文化で、ムスティエ技法で作られた石器を特徴とします。シャテルペロニアン文化は、ネアンデルタール人が現代人と接触した後に発達した石器文化で、レバロワ技法で作られた石器や、貝殻や動物の歯などの身体飾りを特徴とします。

アジアでは、ホモ=エレクトスやホモ=サピエンスなどのさまざまなホモ属の種が中石器時代に存在しました。彼らは、アシューリアンやソアニアンなどの石器文化を持っていました。アシューリアンは、ホモ=エレクトスが発達させた石器文化で、両面に刃をつけた手斧や刃物を特徴とします。ソアニアンは、インド亜大陸で発達した石器文化で、石の核を打撃して得られる石器を特徴とします。

中石器時代は、人類の歴史の中で重要な時期でした。人類は、環境の変化に対応して、さまざまな技術や行動を発展させました。また、人類は、アフリカから世界中に広がり、他のホモ属の種と交流しました。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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