まこと/真/実/誠
※「まこと」は
①名詞
②副詞
③感動詞
としての用法がある。
①名詞
■意味1
真実、事実。
[出典]:世に語り伝ふること 徒然草
「世に語り伝ふること、まことはあいなきにや、多くはみな虚言なり。」
[訳]:世の中に語り伝えることは、真実は面白くないのであろうか、多くは皆作り事である。
■意味2
誠実、偽りのない気持ち。
[出典]:
悲田院の尭蓮上人は 徒然草
「あづま人こそ、言ひつることは頼まるれ、都の人は、こと受けのみよくて、
実なし。」
[訳]:東国の人は、口にしたことは信頼できますが、都の人は、受け答えだけは感じがよくて、
誠実さがありません。
②副詞
■意味
本当に、まったく。
[出典]:万葉集
「たらちねの母を別れてまこと吾旅の仮廬に安く寝むかも」
[訳]:母と別れて本当に私は、旅の仮小屋で心穏やかに眠ることができるだろうか
③感動詞
■意味
ああ、そうそう、そういえば。
[出典]:
空を飛ぶ倉 宇治拾遺物語
「
まこと、
まこと、ありつる鉢を忘れて取り出でずなりぬる、それがしわざにや。」
[訳]:
ああ、
そういえば、鉢を忘れて(置きっぱなしにして)取り出さないままなのだが、そのせいだろうか。