さしも/然しも
このテキストでは、古文単語「
さしも/然しも」の意味、解説とその使用例を記している。
※副詞「さ」と副助詞「しも」が一語になったもの。
副詞
■意味1
あれほどまで、あんなにも、そんなにも。
[出典]:
安元の大火 方丈記
「人の営み、みな愚かなる中に、
さしも危ふき京中の家を作るとて、財(たから)を費やし、心を悩ますことは、すぐれてあぢきなくぞはべる。」
[訳]:人間のすることはみな愚かであるが、(その中でも大火に見舞われた)
あんなにも危険な都の中の家を建てるといって、財産を浪費し、心を苦しめることは、際立って甲斐のないことである。
■意味2
それほど、大して、あまり。
※下に打消や反語表現を伴って用いられる。
[出典]:正月一日は 枕草子
「例はさしもさるもの目近からぬ所に...」
[訳]:普段はそれほどそんなもの(若菜)は見慣れていない所(宮中)で...