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伊勢物語『忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは』わかりやすい現代語訳・解説と品詞分解

著者名: 走るメロス
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「忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは」現代語訳・解説・品詞分解

このテキストでは、伊勢物語の83段『小野の雪』や古今和歌集に収録されている歌「忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは」の原文、現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解を記しています。



伊勢物語とは

伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、在原業平がモデルではないかと言われています。


原文

忘れては夢かとぞ思ふ思ひき(※1)や雪踏み分けて君をむとは

ひらがなでの読み方

わすれては ゆめかとぞおもふ おもひきや ゆきふみわけて きみをみむとは

現代語訳

(あなた様が出家されたという現実を)ふと忘れて、夢なのではないかと思います。(ご出家なさる前に)思ったことがあったでしょうか(いや思いもしませんでした)。雪を踏み分けて(このようなところで)あなた様にお目にかかることになろうとは。



解説

伊勢物語『小野の雪』や古今和歌集の詞書には次のように書かれています。

惟喬親王の馬の頭を努めていた老人は、出家された惟喬親王を訪ねて、小野という土地を訪れます。小野は比叡山の麓にあるので、雪がたいそう高く降り積もっていました。惟喬親王の御庵室に参上したところ、惟喬親王はしんみりと大変悲しげな様子でいらっしゃったので、馬の頭は昔のことなどを思い出してお話し申し上げました。そのままそこに留まりたいと思う馬の頭ですが、朝廷での務めもあり、泣く泣く都に帰って来た後に詠んで送った歌です。

単語・文法解説

(※1)や

反語を表す終助詞または係助詞。

句切れ

二句切れ、三句切れ。

品詞分解

※名詞は省略しています。



忘れラ行下二段活用「わする」の連用形
接続助詞
係助詞
係助詞または終助詞
格助詞
係助詞
思ふハ行四段活用「おもふ」の連体形
思ひハ行四段活用「おもふ」の連用形
過去の助動詞「き」の終止形
係助詞または終助詞
踏み分けカ行下二段活用「ふみわく」の連用形
接続助詞
格助詞
マ行上一段活用「みる」の未然形
推量の助動詞「む」の終止形
格助詞
係助詞


著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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