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9_80 文章の読み解き / 文章の読み解き

伊勢物語『忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは』わかりやすい現代語訳・解説と品詞分解

著者名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、伊勢物語の83段『小野の雪』や古今和歌集に収録されている歌「忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは」の原文、現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解を記しています。



※伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、在原業平がモデルではないかと言われています。
原文

忘れては夢かとぞ思ふ思ひき(※1)や雪踏み分けて君をむとは

ひらがなでの読み方

わすれては ゆめかとぞおもふ おもひきや ゆきふみわけて きみをみむとは

現代語訳

(あなた様が出家されたという現実を)ふと忘れて、夢なのではないかと思います。(ご出家なさる前に)思ったことがあったでしょうか(いや思いもしませんでした)。雪を踏み分けて(このようなところで)あなた様にお目にかかることになろうとは。



解説

伊勢物語『小野の雪』や古今和歌集の詞書には次のように書かれています。

惟喬親王の馬の頭を努めていた老人は、出家された惟喬親王を訪ねて、小野という土地を訪れます。小野は比叡山の麓にあるので、雪がたいそう高く降り積もっていました。惟喬親王の御庵室に参上したところ、惟喬親王はしんみりと大変悲しげな様子でいらっしゃったので、馬の頭は昔のことなどを思い出してお話し申し上げました。そのままそこに留まりたいと思う馬の頭ですが、朝廷での務めもあり、泣く泣く都に帰って来た後に詠んで送った歌です。

単語・文法解説

(※1)や

反語を表す終助詞または係助詞。

句切れ

二句切れ、三句切れ。

品詞分解

※名詞は省略しています。



忘れラ行下二段活用「わする」の連用形
接続助詞
係助詞
係助詞または終助詞
格助詞
係助詞
思ふハ行四段活用「おもふ」の連体形
思ひハ行四段活用「おもふ」の連用形
過去の助動詞「き」の終止形
係助詞または終助詞
踏み分けカ行下二段活用「ふみわく」の連用形
接続助詞
格助詞
マ行上一段活用「みる」の未然形
推量の助動詞「む」の終止形
格助詞
係助詞

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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