のどかなり/長閑なり
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
のどかなり/長閑なり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「長閑かなり」とも。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | のどかなら | ◯ |
連用形 | のどかなり | のどかに |
終止形 | のどかなり | ◯ |
連体形 | のどかなる | ◯ |
已然形 | のどかなれ | ◯ |
命令形 | のどかなれ | ◯ |
■意味1
静かである、おだやかである、平穏である。
[出典]:ころは正月 枕草子
「三日は、うらうらとのどかに照りたる。」
[訳]:(三月)三日は、うららかに穏やかに(日が)照っている(のがよい)。
■意味2
ゆったりしている、くつろいである、時間的にゆとりがある。
[出典]:
ある者、子を法師になして 徒然草
「行く末久しくあらます事ども心にはかけながら、世を
のどかに思ひてうち怠りつつ...」
[訳]:長い将来にわたって予期する様々なことを気にかけながらも、心には人生を
のんびりと考えて怠けながら...
■意味3
おっとりしている、落ち着いている、平然としている。
[出典]:夕顔 源氏物語
「のどかに、つらきも憂きも、かたはらいたきことも、思ひ入りたるさまならで...」
[訳]:平然としていて、辛いことも苦しいことも、気恥ずかしいことも、気にかけている様子でなく...