ろんず/論ず
このテキストでは、サ行変格活用の動詞「
ろんず/論ず」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
サ行変格活用
未然形 | ろんぜ |
連用形 | ろんじ |
終止形 | ろんず |
連体形 | ろんずる |
已然形 | ろんずれ |
命令形 | ろんぜよ |
■意味1:自動詞
議論する、討論する、言い争う。
[出典]:
いみじき成敗 沙石集
「『七つこそありしに、六つあるこそ不審なれ。一つをば隠されたるにや。』と言ふ。『さることなし。もとより六つなり。』と
論ずるほどに、果ては国の守のもとにして、これをことわらしむ。」
[訳]:「(軟挺は)七つあったはずだが、(ここに)六つあるのは疑わしい。一つお隠しになられたのではないですか。」と(持ち主の男は)言います。(夫は)「そのようなことはありません。もともと六つですよ。」と
言い争ううちに、しまいには国守のもとで、これを判断させる(ことになりました)。
■意味2:自動詞
物事の道理を説く、正しく解き明かす。
[出典]:鱸 平家物語
「国を治め、道を論じ、陰陽をやはらげ治む。」
[訳]:(太政大臣とは)国を治め、道を正しく解き明かし、(天地の)陰陽を和らげて治める(ものである)。