「こもる/籠る/隠る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用】
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
こもる/籠る/隠る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ラ行四段活用
未然形 | こもら |
連用形 | こもり |
終止形 | こもる |
連体形 | こもる |
已然形 | こもれ |
命令形 | こもれ |
■意味1:自動詞
閉じこもる、引きこもる。
[出典]:
平泉 奥の細道
「さても義臣すぐつてこの城に
こもり、功名一時のくさむらとなる。」
[訳]:それにしても、(義経は)忠義の家臣を選りすぐってこの城に
立てこもり(戦ったが)、功名は一時のことで(今は)草むらとなっている。
■意味2:自動詞
隠れる、潜む。
[出典]:大和物語
「みちのくの安達が原の黒塚にこもれりと聞くはまことか。」
[訳]:陸奥の安達が原の黒塚に(鬼が)潜んでいると聞きますが本当ですか。
■意味3:自動詞
囲まれている、包まれている。
[出典]:
大火とつじ風 方丈記
「三、四町を吹きまくる間に、
こもれる家ども、大きなるも、小さきも、ひとつとして破れざるはなし。」
[訳]:三、四町を吹き荒れる間に、
囲まれている家々は、大きい物も、小さい物も、ひとつとして壊れない物はない。
■意味4:自動詞
(祈願のために)
寺社に泊まり込む。
[出典]:
物語 更級日記
「親の太秦に
こもり給へるにも、ことごとなくこのことを申して...」
[訳]:親が太秦(にある広隆寺)に
祈願のために泊まり込まれるときにも、他のことはなくこのことだけを(願い)申し上げて...