おはさうず/御座さうず
このテキストでは、サ行変格活用の動詞「
おはさうず/御座さうず」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
成り立ち
ハ行四段活用「おはさふ」の連用形「おはさひ」とサ行変格活用「す」とが一語になった「おはさひす」のウ音便。
サ行変格活用
未然形 | おはさうぜ |
連用形 | おはさうじ |
終止形 | おはさうず |
連体形 | おはさうずる |
已然形 | おはさうずれ |
命令形 | おはさうぜよ |
■意味1:自動詞
(「あり/行く/来」の尊敬語で)
いらっしゃる、お出かけになる。
[出典]:
道長の豪胆 大鏡
「いま二所も、苦む苦むおのおの
おはさうじぬ。」
[訳]:間もなくお2人も、しぶしぶそれぞれ
お出かけになられました。
■意味2:補助動詞
〜ていらっしゃる、〜でおいでになる。
※この用法の場合、活用語の連用形について用いられる。
[出典]:虫めづる姫君 堤中納言物語
「若人たちは、何事言ひおはさうずるぞ。」
[訳]:若い人たちは、何を言っていらっしゃるのですか。
備考
主に、複数を表す主語に対して用いられる。