いそぎ/急ぎ
このテキストでは、古文単語「
いそぎ/急ぎ」の意味、解説とその使用例を記している。
成り立ち
ガ行四段活用の動詞「いそぐ」の連用形が名詞化したもの。
名詞
■意味1
急ぐこと、急用、急なこと。
[出典]:
今日はそのことをなさんと思へど 徒然草
「今日はその事をなさんと思へど、あらぬ
急ぎ先づ出で来て紛れ暮らし、待つ人は障りありて、頼めぬ人は来たり。」
[訳]:今日はそのことをしようと思うのだが、思いもよらない
急用が先にできて(それに)気を取られて一日を過ごし、待ち人は差し支えがあって(来ず)、(来るのを)期待させない人は来てしまう。
■意味2
準備、支度、用意。
[出典]:
亡児 土佐日記
「かくあるうちに、京にて生まれたりし女児、国にてにはかに失せにしかば、このごろの出で立ち
急ぎを見れど、何事も言はず。」
[訳]:このようにしているうちに、京都で生まれた女の子が、(赴任先の土佐の)国で急に亡くなってしまったので、最近の出発の
準備をみても、何も言わない。