「かく/欠く」の意味・活用・使用例【カ行四段活用/カ行下二段活用】
このテキストでは、古文単語「
かく/欠く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
動詞「かく」には
①欠く
②
駆く/駈く
③舁く
④掛く/懸く
⑤掻く
などの用法があるが、ここでは「①欠く」を扱う。
そして「かく/欠く」 には
①カ行四段活用
②カ行下二段活用
の用法がある。
①カ行四段活用
未然形 | かか |
連用形 | かき |
終止形 | かく |
連体形 | かく |
已然形 | かけ |
命令形 | かけ |
■意味1:他動詞
怠る、抜かす。
[出典]:栄花物語
「滝口、帯刀など番欠かさず候ふ。」
[訳]:滝口、帯刀など(の侍)が当番を怠らずにしている。
■意味2:他動詞
一部分を破損する、欠かす。
[出典]:蜻蛉日記
「四十九日のこと、たれも、欠くことなくて、家でとり行う。」
[訳]:四十九日のこと(法事)は、誰一人も、欠かすことなく、家で執り行う。
②カ行下二段活用
未然形 | かけ |
連用形 | かけ |
終止形 | かく |
連体形 | かくる |
已然形 | かくれ |
命令形 | かけよ |
■意味1:自動詞
一部分がなくなる、破損する。
[出典]:
これも仁和寺の法師 徒然草
「酒宴ことさめて、いかがはせむと惑ひけり。とかくすれば、首のまはり
欠けて、血垂り、ただ腫れに腫れみちて、息もつまりければ...」
[訳]:宴も興ざめして、どうしたらよいだろうかとうろたえました。(抜こうと)あれこれとすると、首の周りは
傷ついて、血が垂れ、ひたすら腫れに腫れ、息も詰まってきたので...