くらふ/食らふ
このテキストでは、ハ行四段活用の動詞「
くらふ/食らふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ハ行四段活用
未然形 | くらは |
連用形 | くらひ |
終止形 | くらふ |
連体形 | くらふ |
已然形 | くらへ |
命令形 | くらへ |
■意味1:自動詞
食う、飲む。
[出典]:
猫また 徒然草
「奥山に、猫またといふものありて、人を
食らふなる。」
[訳]:山奥に、猫またというものがいて、人を
食うそうだ。
■意味2:自動詞
(被害などを)
受ける、被る。
[出典]:
「狼藉して息杖のむね打ちを食らふか。」
[訳]:乱暴な振る舞いをして息杖の一討ちを受けるつもりか。
■意味3:自動詞
生活をする、暮らしを立てる。
備考
似たような言葉に「はむ/食む」と「
くふ/食ふ/喰ふ」がある。上代で「はむ/食む」は「飲食する」を意味し、中古では動物の動作に限られるようになった。また「くふ/食ふ/喰ふ」は「くらふ/食らふ」と同様、「飲食する」などを意味するが、「くらふ/食らふ」は「くふ/食ふ/食ふ」よりも乱暴で下品な食べ方を連想させる言葉である。