たやすし/容易し
このテキストでは、ク活用の形容詞「
たやすし/容易し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
成り立ち
接頭語「た」と形容詞「
やすし」が一語になったもの。
形容詞・ク活用
未然形 | たやすく | たやすから |
連用形 | たやすく | たやすかり |
終止形 | たやすし | ◯ |
連体形 | たやすき | たやすかる |
已然形 | たやすけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | たやすかれ |
容易し
■意味1
容易である、簡単である。
[出典]:
これも仁和寺の法師 徒然草
「とかくすれば、首のまはり欠けて、血垂り、ただ腫れに腫れみちて、息もつまりければ、打ち割らむとすれど、
たやすく割れず。」
[訳]:(抜こうと)あれこれとすると、首の周りは傷ついて、血が垂れ、ひたすら腫れに腫れ、息も詰まってきたので、(足鼎を)たたき割ろうとするのだが、
簡単には割れない。
■意味2
軽々しい、軽率だ。
[出典]:万にいみじくとも 徒然草
「女に容易からず思はれんこそ、あらまほしかるべきわざなれ。」
[訳]:女性に軽率ではないと思われるようなことこそ、(男にとって)理想的なことだ。