如何ならむ/いかならむ
このテキストでは、古文単語「
如何ならむ/いかならむ」の意味、解説とその使用例を記している。
成り立ち
形容動詞「いかなり」の未然形「いかなら」と推量の助動詞「む」が一語になったもの。
連語
■意味1
(疑問を表して)
どうであろう、どんなであろう。
[出典]:
雪のいと高う降りたるを 枕草子
「少納言よ。香炉峰の雪
いかならむ。」
[訳]:清少納言よ。香炉峰の雪は
どうであろうか。
■意味2
(将来の不安に対して)
どうなることであろう、どんなことになるのだろう。
[出典]:うれしきもの 枕草子
「いかならむと思ふ夢を見て、おそろしと胸つぶるるに、ことにもあらずあはせなしたる、いとうれし。」
[訳]:どうなることであろうかと思う夢をみて、恐ろしいと胸がどきどきしているときに、特別なものではないと夢合わせをしてもらうのは、とても嬉しい。
■意味3
(現在の不安に対して)
どうだろう。
[出典]:若紫 源氏物語
「君は、行ひたまひつつ、日たくるままに、『いかならむ』と思したるを...」
[訳]:源氏の君は、勤行をなさりながらも、日ざかりになるにつれて、「(病気は)どうだろうか」とお思いになるのを...
■意味4
(連体修飾語として)
どのような、どんな。
[出典]:徒然草
「いかならむ世にも、かばかりあせ果てんとはおぼしてんや。」
[訳]:どのような世においても、これほど荒れ果ててしまうとはお思いになっただろうか、いやお思いにならなかっただろう。