「おとなふ/音なふ/訪ふ」の意味・活用・使用例【ラ行下二段段活用】
このテキストでは、ハ行四段活用の動詞「
おとなふ/音なふ/訪ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ハ行四段活用
未然形 | おとなは |
連用形 | おとなひ |
終止形 | おとなふ |
連体形 | おとなふ |
已然形 | おとなへ |
命令形 | おとなへ |
■意味1:自動詞
音を立てる、声を立てる。
[出典]:
神無月のころ 徒然草
「木の葉に埋(うづ)もるる懸樋のしづくならでは、つゆ
おとなふものなし。」
[訳]:木の葉で覆われて見えなくなっている懸樋のしづく(水がしたたり落ちる音)以外には、まったく
音を立てるものがありません。
■意味2:自動詞
訪問する、訪れる、声をかける。
[出典]:末摘花 源氏物語
「古りにたるあたりとて、おとなひ聞こゆる人もなかりけるを...」
[訳]:時代の遅れた所というので、訪れ申し上げる人もなかったので...
■意味3:自動詞
手紙を出す、消息する。
[出典]:宿木 源氏物語
「わざとはなくとも、このわたりにおとなふをりあらむついでに、かくなむ言ひし、と伝へたまへ。」
[訳]:わざわざではなくても、この辺に手紙を出す機会がある時にはそのついでに、こう言っていた、とお伝えください。