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古文単語「いつしか/何時しか」の意味・解説【副詞・連語】

著者名: 走るメロス
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「いつしか/何時しか」の意味・活用・使用例【副詞・連語】

このテキストでは、古文単語「いつしか/何時しか」の意味、解説とその使用例を記している。

※「いつしか」は
①副詞
②連語
としての用法がある。

①副詞

意味1

早く、早速

※この用法の場合、「いつしか〜願望」の形をとる。
[出典]桐壷 源氏物語
いつしかと心もとながらせ給ひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなる稚児の御容貌なり。」

[訳]:(帝は子どもを)早く(見たい)と待ち遠しくお思いになられていたので、急いで(皇子を)参上させてご覧になったところ、めったいないほど(美しい)赤ん坊の御容姿でいらっしゃいます。


意味2

いつの間にか、知らないうちに

[出典]:賢木 源氏物語
「初時雨、いつしかとけしきだつに...」

[訳]:初時雨が降り、いつの間にか(晩秋の)兆候が見えるころ...




意味3

早くも、すでに

[出典]:総角 源氏物語
「宮は、いつしかと御文たてまつりたまふ。」

[訳]:宮は、早速お手紙を差し上げなさいました。


意味4

いつの日か

[出典]:おらが春 小林一茶
いつしか、彼をも振り分け髪の丈になして...」

[訳]いつの日か、この子も振り分け髪(のできる)背丈にして...




②連語

意味

いつになったら〜だろうか、いつ〜だろうか

※この用法の場合「いつしか〜む」係り結びの形で用いる。
[出典]海賊の恐れ 土佐日記
「その音を聞ゝて、童も嫗もいつしかと思ほへばにやあらん、いたく喜ぶ。」

[訳]:その声を聞いて、子どもも老人も、いつになったら(帰れるのだろうか)と思っていたのだろうか、ひどく喜んでいる。

※係り結びの省略:いつしか「帰らむ」が省略されている。

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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