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古文単語「そふ/添ふ/副ふ」の意味・解説【ハ行四段活用/ハ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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そふ/添ふ/副ふ

このテキストでは、古文単語「そふ/添ふ/副ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「そふ」には、
①ハ行四段活用
②ハ行下二段活用
の用法がある。

①ハ行四段活用

未然形そは
連用形そひ
終止形そふ
連体形そふ
已然形そへ
命令形そへ


意味1:自動詞

加わる、多くなる

[出典]:桐壷 源氏物語
「あさましううつくしげさそひ給へり。」

[訳]:驚きあきれるほどのかわいらしさが加わりなさった。


意味2:自動詞

付き添う、寄り添う

[出典]:大鏡
「これは、まことの親にも添ひはべらず...」

[訳]:この私は、実の親にも付き添いませんで...




意味3:自動詞

夫婦として連れ添う、結婚する

[出典]:大和物語
「もとのごとく、あからめもせで添ひ居にける。」

[訳]:もとの通りに、心移りもしないで夫婦として連れ添って暮らしていた。


意味4:自動詞

従う、沿う

[出典]:宇治拾遺物語
「志摩国ざまへ、山に添ひて出で給ひぬ。」

[訳]:志摩国の方向へ、山に沿ってお出になられた。




②ハ行下二段活用

未然形そへ
連用形そへ
終止形そふ
連体形そふる
已然形そふれ
命令形そへよ


意味1:自動詞

年月が経つのに従う

[出典]:橋姫 源氏物語
「年月に添へて、宮の内、ものさびしくのみなりまさる。」

[訳]:年月が経つのに従って、宮の中は、なんとなく寂しくなるばかりである。


意味2:他動詞

付け加える

[出典]かぐや姫の昇天 竹取物語
「...とて、壺の薬添へて、頭中将呼び寄せて奉らす。」

[訳]:...といって、壺の薬を付け加えて、頭の中将を呼び寄せて(帝に)献上させる。




意味3:他動詞

付ける、付き従わせる

[出典]花山院の出家 大鏡
「さるべくおとなしき人々、なにがしかがしといふいみじき源氏の武者たちをこそ、御送りに添へられたりけれ。」

[訳]:(帝と一緒に出家させないようにする)そのような思慮分別のある者たちや、なにがし、かがしという優れた源氏の武者たちを、護衛につけられたのです。


意味4:他動詞

なぞらえる、例える

[出典]:万葉集
「たな霧らひ雪も降らぬか梅の花咲かぬが代にそへてだに見む」

[訳]:空一面に曇って雪が降らないかなあ。梅の花が咲かないその代わりに、せめて降る雪を梅の花になぞらえて見たいものだ。

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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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