「すさまじ/凄まじ/荒まじ」の意味・活用・使用例【シク活用の形容詞】
このテキストでは、シク活用の形容詞「
すさまじ/凄まじ/荒まじ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・シク活用
未然形 | すさまじく | すさまじから |
連用形 | すさまじく | すさまじかり |
終止形 | すさまじ | ◯ |
連体形 | すさまじき | すさまじかる |
已然形 | すさまじけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | すさまじかれ |
■意味1
興ざめである、がっかりだ、愛想がない。
[出典]:
すさまじきもの 枕草子
「
すさまじきもの、昼吠ゆる犬。春の網代。」
[訳]:興ざめするもの、昼に吠える犬。春の網代。
■意味2
殺風景だ、寒々としている。
[出典]:折節の 徒然草
「すさまじきものにして見る人もなき月の、寒けく澄める二十日余りの空こそ、心細きものなれ。」
[訳]:殺風景なものとして見る人もない月が、寒く澄みわたっている二十日過ぎの空は、物寂しいものです。
■意味3
寒い、冷たい。
[出典]:鼓判官 平家物語
「十一月十九日のあしたになれば、河原の風こそすさまじかりけめ。」
[訳]:十一月十九日の朝なので、河原の風は冷たかったであろう。
■意味4
激しい、ものすごい。
[出典]:宇治拾遺物語
「夜中ばかりに、風吹き、雨降りて、すさまじかりけるに...」
[訳]:夜中に、風が吹き、雨が降り、激しかったのですが...
■意味5
あきれたことである、とんでもないことである。
[出典]:東海道中膝栗毛 十返舎一九
「なに、あれが御屋敷に奉公してゐたもすさまじい。」
[訳]:なに、あいつが御屋敷に奉公していたというのもとんでもないことだ。
※「すさまじい」は終止形「すさまじ」が口語表現に変化したもの。