心地/ここち
このテキストでは、古文単語「
心地/ここち」の意味、解説とその使用例を記しています。
名詞
■意味1
気持ち、気分。
[出典]:
名を聞くより 徒然草
「名を聞くより、やがて面影は推し測らるる
心地するを...」
[訳]:名前を聞くとすぐに、(その人の)顔つきの見当をつけられるような
気がするが...
■意味2
心構え、考え、思慮、心。
[出典]:
初冠 伊勢物語
「思ほえず、ふる里にいとはしたなくてありければ、
心地まどひにけり。 」
[訳]:思いもよらず(このような寂れた)旧都に、不釣り合いな様子で(美しい姉妹が)いたので、(男は)
心を乱してしまいました。。
■意味3
〜のような感じ、様子、気配。
[出典]:
夕顔 源氏物語
「物に襲はるる
心地して、驚き給へれば、灯も消えにけり。」
[訳]:物の怪に襲われた
ような感じがして、はっと目をお覚ましになると、明かりも消えてしまっていました。
■意味4
気分の悪いこと、病気。
[出典]:桐壷 源氏物語
「その年の夏、御息所、はかなき心地にわづらひて、まかでなむとしたまふを、暇さらに許させたまはず。」
[訳]:その年の夏に、御息所は、ちょっとした病気になったので、(宮中から実家へと)退出してしまおうとなさるのですが、(帝は)休暇を一向にお許しになりません。