重商主義とは
この時代、哲学や政治思想とともに、
経済思想にも新しい考えが出てきます。
この背景には、16世紀以降、絶対主義諸国がとっていた
重商主義という政策がありました。
絶対主義の特徴は、
常備軍と
官僚制を有していることでした。これによって、国王の権力は安定し、絶対王政が確立していたのです。
ところがこの制度を維持するためには、莫大な費用がかかります。
そこで絶対主義諸国は、
重商主義政策という経済政策をとるようになります。
重商主義政策は、大きく分けて2つのものがありました。
重金主義
重金主義は、
金や
銀などの貴金属を国の富であると考え、それらをひたすら国内に貯めこむというものです。大航海時代以降の
スペインや
ポルトガルで主に採用され、鉱山開発などで植民地を通じて多くの金銀がヨーロッパにもたらされました。
(重金主義時代の船)
貿易差額主義
貿易差額主義は、主に
イギリスや
フランスでとられた政策で、国内の産業を保護してさまざまな商品を生産し、他国との
貿易の黒字化を促進して貨幣を獲得していこうというものです。これを促進するために、
産業の保護や育成がはかられ、後に更に進んだ
産業保護主義という形態になっていきます。
(貿易港)