『秋浦歌』
ここでは、中国の詩人「李白」が詠んだ漢詩『秋浦歌』の書き下し文、現代語訳とその解説をおこなっています。『唐詩選』に含まれる歌で「秋浦の歌(しゅうほのうた)」と読みます。人生の晩年にさしかかった李白の孤独な姿が感じられる、哀愁がただよう詩です。
白文(原文)
白髪
三千丈
縁愁似箇長
不知
明鏡裏
何処得
秋霜
書き下し文
白髪
三千丈
愁ひに縁りて箇くの似く長し
知らず明鏡の裏
何れの処にか秋霜を得たる
現代語訳(口語訳)
(私の)白髪は三千丈ほどあるだろうか
愁いによってこのように長くなってしまった
澄んだ鏡の中を見ていても気づかなかった
どこで秋の霜にもにた白髪を身につけたのだろうか
詩形
この漢詩は五つに並んだ漢字が四つの行からなる、
五言絶句というスタイルをとっています。「長(チョウ)」「霜(ソウ)」が韻を踏んでいます。(
押韻という)
単語解説
三千丈 | 当時の中国で1丈は約3,33m。実際に白髪が三千丈あるわけではなく、あくまでも誇張するための例え。 |
明鏡 | 澄んだ鏡 |
秋霜 | 秋の霜。ここでは白髪を例えている |