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9_80 文章の読み解き / 文章の読み解き

宇治拾遺物語『空を飛ぶ倉』テストで出題されそうな問題

著者名: 走るメロス
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宇治拾遺物語『空を飛ぶ倉』

ここでは、宇治拾遺物語 の中の『空を飛ぶ倉』でテストに出題されそうな問題をピックアップしていきます。 この話は「信貴山縁起絵巻」の一節として知られているものです。

次の文章を読み、問いに答えよ


そこに小さき堂を建てて、据ゑ奉りて、えもいはず行ひて、年月経る程に、この山の麓に、いみじき下種徳人ありけり。

そこに聖の鉢は常に飛び行きつつ、物は入れて来けり。大きなる校倉のあるをあけて、物取り出だす程に、この鉢飛びて、例の物乞ひに来たりけるを、

例の鉢来にたり。ゆゆしくふくつけき鉢よ

とて、取りて、倉の隅に投げ置きて、とみに物も入れざりければ、鉢は待ち居たりける程に、物どもしたため果てて、この鉢を忘れて、物も入れず、取りも出ださで、倉の戸をさして、立ち帰りぬるほどに、とばかりありて、この倉すずろにゆさゆさと揺るぐ。

いかにいかに

と見騒ぐ程に、揺るぎ揺るぎて、土より一尺ばかり揺るぎあがる時に、

こはいかなる事ぞ

と、怪しがりて騒ぐ。

まことに、まことに、ありつる鉢を忘れて取り出でずなりぬる、それが仕業にや

などいふ程に、この鉢、倉より漏り出でて、この鉢に倉乗りて、ただ上りに、空ざまに一二丈ばかり上る。さて飛び行く程に、人々見ののしり、あさみ騒ぎ合ひたり。倉の主も、更にすべきやうもなければ、

この倉の行かむ所を見む

とて、後に立ちて行く。そのわたりの人々もみな走りけり。さて見れば、やうやう飛びて、河内国にこの聖の行ふ山の中に飛び行きて、聖の坊の傍に、どうと落ちぬ。

問題

Q1:「下種」、「校倉」、「鎖して」、「河内国」を現代仮名遣いで記しなさい。


Q2:「小さき堂を建てて」とあるが小さき堂を建てたのは誰か、文中の言葉1文字で答えなさい。


Q3:「えもいはず」の意味を答えなさい。


Q4:「鉢は待ちゐたりける程に」とあるが、鉢は何を待っていたのか答えなさい。


Q5:「すずろに」の意味を答えなさい。


Q6:「それが仕業にや」の「それ」とは何を指すか、文中の言葉で答えなさい。


Q7:「それが仕業にや」の「にや」に続くであろう言葉を三文字で答えなさい。


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『教科書 新編国語総合』 東京書籍
『教科書 高等学校国語 国語総合』 東京書籍
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店

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