新規登録 ログイン

9_80 文章の読み解き / 文章の読み解き

宇治拾遺物語『絵仏師良秀』テストで出題されそうな問題

著者名: 走るメロス
Text_level_1
マイリストに追加
宇治拾遺物語『絵仏師良秀』

このテキストでは、宇治拾遺物語の一節『絵仏師良秀』でテストに出題されそうな問題をピックアップしています。 書籍によっては、内容が異なったり、タイトルが「絵仏師の執心」などと題されている場合があります。





次の文章を読み、問いに答えよ


これも今は昔、絵仏師良秀といふありけり。家の隣より火いできて、風おしおほひてせめければ、逃げいでて大路へいでにけり。人のかかする仏もおはしけり。また、衣着ぬ妻子なども、さながら内にありけり。それも知らず、ただ逃げいでたるをことにして、向かひのつらに立てり。見れば、すでにわが家に移りて、けぶり・炎くゆりけるまで、おほかた、向かひのつらに立ちてながめければ、

「あさましきこと。」


とて、人ども来とぶらひけれど、騒がず。

「いかに。」


と人言ひければ、向かひに立ちて、家の焼くるを見て、うちうなづきて、ときどき笑ひけり

「あはれ、しつるせうとくかな。年ごろはわろくかきけるものかな。」


と言ふ時に、とぶらひに来たる者ども、

「こはいかに、かくては立ちたまへるぞ。あさましきことかな。もののつきたまへるか。」


と言ひければ、

なんでふもののつくべきぞ。年ごろ不動尊の火炎をあしくかきけるなり。今見れば、かうこそ燃えけれと、心得つるなり。これこそせうとくよ。この道を立てて世にあらんには、仏だによくかきたてまつらば、百千の家もいできなん。わたうたちこそ、させる能もおはせねば、ものをも惜しみたまへ。」


と言ひて、あざ笑ひてこそ立てりけれ。そののちにや、良秀がよぢり不動とて、今に人々愛で合へり。





問題

Q1:「さながら」、「おほかた」、「せうとく」、「わろく」、「とぶらひ」の意味を答えなさい。


Q2:「仏もおはしけり」とあるが、「おはし」を文法的に説明しなさい。


Q3:「ただ逃げいでたるをことにして、向かひのつらに立てり」の現代語訳を書きなさい。


Q4:「向かひのつらに立ちてながめければ、 あさましきこと」と「かくては立ちたまへるぞ。あさましきことかな」での「あさまし」の意味をそれぞれ記しなさい。


Q5:「うちうなづきて、ときどき笑ひけり」の主語を答えよ。またこのような行動をとった理由を文中から抜き出しなさい。






Q6:「年ごろはわろくかきけるものかな」の現代語訳を書きなさい。


Q7:「なんでふもののつくべきぞ」の現代語訳を書きなさい。


Q8:「心得つるなり」とあるが、「心得」を文法的に説明しなさい。


Q9:「この道」とは何を指すか。文中から三文字で抜き出しなさい。






Q10:「わたうたち」とは誰のことを指すか。文中から十五文字以内で抜き出しなさい。


Q11:「あざ笑ひてこそ立てりけれ」とあるが、良秀は人々に対してどのような思いを込めて笑ったのか述べよ。


次ページ:解答と現代語訳

1ページへ戻る
前のページを読む
1/2
次のページを読む

Related_title
もっと見る 

Keyword_title

Reference_title
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店
『教科書 高等学校 国語総合 古典編』 東京書籍
『教科書 精選国語総合』 東京書籍
『教科書 高等学校国語 国語総合 古典編』 東京書籍

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 149,446 pt 
 役に立った数 847 pt 
 う〜ん数 42 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ