徒然草『あだし野の露消ゆる時なく』
このテキストでは、
徒然草の一節『
あだし野の露消ゆる時なく』の品詞分解を記しています。
※現代語訳はこちら:
徒然草『あだし野の露消ゆるときなく』の現代語訳
※徒然草は
兼好法師によって書かれたとされる随筆です。
清少納言の『
枕草子』、
鴨長明の『
方丈記』と並んで「
古典日本三大随筆」と言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■あだし野の露消ゆるときなく、鳥部山の煙立ち去らでのみ、住み果つるならひならば、いかにもののあはれもなからん。世は定めなきこそいみじけれ。
あだし野 | ー |
の | 格助詞 |
露 | ー |
消ゆる | ヤ行下二段活用・連体形 |
時 | ー |
なく、 | 形容詞・ク活用・連用形 |
鳥部山 | ー |
の | 格助詞 |
煙 | ー |
立ち去ら | ラ行四段活用・未然形 |
で | 接続助詞 |
のみ | 副助詞 |
住み果つる | タ行下二段活用・連体形 |
ならひ | ー |
なら | 断定の助動詞・未然形 |
ば、 | 接続助詞 |
いかに | 副詞 |
もののあはれ | ー |
も | 係助詞 |
なから | 形容詞・ク活用・未然形 |
ん。 | 推量の助動詞・連体形 |
世 | ー |
は | 係助詞 |
定め | ー |
なき | 形容詞・ク活用・連体形 |
こそ | 係助詞 |
いみじけれ。 | 形容詞・シク活用・已然形 |
■命あるものを見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふの夕べを待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。
命 | ー |
ある | ラ行変格活用・連体形 |
もの | ー |
を | 格助詞 |
見る | マ行上一段活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
人 | ー |
ばかり | 副助詞 |
久しき | 形容詞・シク活用・連体形 |
は | 係助詞 |
なし。 | 形容詞・ク活用・終止形 |
かげろふ | ー |
の | 格助詞 |
夕べ | ー |
を | 格助詞 |
待ち、 | タ行四段活用・連用形 |
夏 | ー |
の | 格助詞 |
蝉 | ー |
の | 格助詞 |
春秋 | ー |
を | 格助詞 |
知ら | ラ行四段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
も | 係助詞 |
ある | ラ行変格活用・連体形 |
ぞ | 係助詞 |
かし。 | 終助詞 |
■つくづくと一年を暮らすほどだにも、こよなうのどけしや。飽かず、惜しと思はば、千年を過ぐすとも、一夜の夢の心地こそせめ。
つくづくと | 副詞 |
一年 | ー |
を | 格助詞 |
暮らす | サ行四段活用・連体形 |
ほど | ー |
だに | 副助詞 |
も、 | 係助詞 |
こよなう | 形容詞・ク活用・連用形のウ音便 |
のどけし | 形容詞・シク活用・終止形 |
や。 | 間投助詞 |
飽か | カ行四段活用・未然形 |
ず、 | 打消の助動詞・連用形 |
惜し | 形容詞・シク活用・終止形 |
と | 格助詞 |
思は | ハ行四段活用・未然形 |
ば、 | 接続助詞 |
千年 | ー |
を | 格助詞 |
過ぐす | サ行四段活用・終止形 |
とも、 | 接続助詞 |
一夜 | ー |
の | 格助詞 |
夢 | ー |
の | 格助詞 |
心地 | ー |
こそ | 係助詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
め。 | 推量の助動詞・已然形 |
■住み果てぬ世に、みにくき姿を待ちえて、何かはせん。命長ければ辱多し。長くとも四十に足らぬほどにて死なんこそ、目安かるべけれ。
住み果て | タ行下二段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
世 | ー |
に、 | 格助詞 |
みにくき | 形容詞・ク活用・連体形 |
姿 | ー |
を | 格助詞 |
待ちえ | ア行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
何 | ー |
かは | 係助詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
ん。 | 推量の助動詞・連体形 |
命 | ー |
長けれ | 形容詞・ク活用・已然形 |
ば | 接続助詞 |
辱 | ー |
多し。 | 形容詞・ク活用・終止形 |
長く | 形容詞・ク活用・連用形 |
とも | 接続助詞 |
四十 | ー |
に | 格助詞 |
足ら | ラ行四段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
ほど | ー |
にて | 格助詞 |
死な | ナ行変格活用・未然形 |
ん | 推量の助動詞・連体形 |
こそ、 | 係助詞 |
目安かる | 形容詞・ク活用・連体形 |
べけれ。 | 推量の助動詞・已然形 |
【ちょっと復習「目安し」の意味は?】