■東三条殿は、「もしさることやし給ふ。」と危ふさに、さるべくおとなしき人々、なにがしかがしといふいみじき源氏の武者たちをこそ、御送りに添へられたりけれ。
東三条殿 | ー |
は、 | 係助詞 |
「もし | 副詞 |
さる | 連体詞 |
こと | ー |
や | 係助詞 |
し | サ行変格活用・連用形 |
給ふ。」 | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連体形 |
と | 格助詞 |
危ふさ | ー |
に、 | 格助詞 |
さる | ラ行変格活用・連体形 |
べく | 当然の助動詞・連用形 |
おとなしき | 形容詞・シク活用・連体形 |
人々、 | ー |
なにがし | 代名詞 |
かがし | 代名詞 |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用・連体形 |
いみじき | 形容詞・シク活用・連体形 |
源氏 | ー |
の | 格助詞 |
武者たち | ー |
を | 格助詞 |
こそ、 | 係助詞 |
御送り | ー |
に | 格助詞 |
添へ | ハ行下二段活用・未然形 |
られ | 尊敬の助動詞・連用形 |
たり | 完了の助動詞・連用形 |
けれ。 | 過去の助動詞・已然形 |
■京のほどは隠れて、堤の辺よりぞうち出で参りける。
京 | ー |
の | 格助詞 |
ほど | ー |
は | 係助詞 |
隠れ | ラ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
堤 | ー |
の | 格助詞 |
辺り | ー |
より | 格助詞 |
ぞ | 係助詞 |
うち出で | ダ行下二段活用・連用形 |
参り | ラ行四段活用・連用形 |
ける。 | 過去の助動詞・連体形 |
■寺などにては、「もし、おして人などやなし奉る。」とて、一尺ばかりの刀どもを抜きかけてぞ守り申しける。
寺 | ー |
など | 副助詞 |
にて | 格助詞 |
は、 | 係助詞 |
「もし、 | 副詞 |
おして | 副詞 |
人 | ー |
など | 副助詞 |
や | 係助詞 |
なし | サ行四段活用・連用形 |
奉る。」 | 謙譲の補助動詞・ラ行四段活用・連体形 |
と | 格助詞 |
て、 | 接続助詞 |
一尺 | ー |
ばかり | 副助詞 |
の | 格助詞 |
刀ども | ー |
を | 格助詞 |
抜きかけ | カ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
ぞ | 係助詞 |
守り | ラ行四段活用・連用形 |
申し | 謙譲の補助動詞・サ行四段活用・連用形 |
ける。 | 過去の助動詞・連体形 |
※現代語訳:
大鏡『花山院の出家(花山寺におはしましつきて〜)』の現代語訳