『花山院の出家』
このテキストでは、
大鏡の一節『
花山院の出家』(花山寺におはしましつきて〜)の品詞分解を記しています。書籍によっては「花山天皇の出家・花山院の退位」と題するものもあるようです。
※前回のテキスト:
大鏡『花山院の出家(あはれなることは〜)』の品詞分解
※現代語訳:
大鏡『花山院の出家』(花山寺におはしましつきて〜)の現代語訳
※
大鏡は平安時代後期に成立したとされる歴史物語です。藤原道長の栄華を中心に、宮廷の歴史が描かれています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■花山寺におはしましつきて、御髪下ろさせ給ひて後にぞ、粟田殿は、「まかり出でて、大臣にも、変はらぬ姿、いま一度見え、かくと案内申して、必ず参り侍らむ。」
花山寺 | ー |
に | 格助詞 |
おはしましつき | カ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
御髪 | ー |
下ろさ | サ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
後 | ー |
に | 格助詞 |
ぞ、 | 係助詞 |
粟田殿 | ー |
は、 | 係助詞 |
「まかり出で | ダ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
大臣 | ー |
に | 格助詞 |
も、 | 係助詞 |
変はら | ラ行四段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
姿、 | ー |
いま | 副詞 |
一度 | ー |
見え、 | ヤ行下二段活用・連用形 |
かく | 副詞 |
と | 格助詞 |
案内 | ー |
申し | サ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
必ず | 副詞 |
参り | ラ行四段活用・連用形 |
侍ら | 丁寧の補助動詞・ラ行変格活用・未然形 |
む。」 | 意志の助動詞・終止形 |
■と申し給ひければ、「我をば謀るなりけり。」とてこそ泣かせ給ひけれ。
と | 格助詞 |
申し | サ行四段活用・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
「我 | 代名詞 |
を | 格助詞 |
ば | 係助詞 |
謀る | ラ行四段活用・連体形 |
なり | 断定の助動詞・連用形 |
けり。」 | 詠嘆の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
て | 接続助詞 |
こそ | 係助詞 |
泣か | カ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
けれ。 | 過去の助動詞・已然形 |
■あはれに悲しきことなりな。日ごろ、よく、「御弟子にて候はむ。」と契りて、すかし申し給ひけむがおそろしさよ。
あはれに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
悲しき | 形容詞・シク活用・連体形 |
こと | ー |
なり | 断定の助動詞・終止形 |
な。 | 終助詞 |
日ごろ、 | 副詞 |
よく、 | 副詞 |
「御弟子 | ー |
にて | 格助詞 |
候は | ハ行四段活用・未然形 |
む。」 | 意志の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
契り | ラ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
すかし | サ行四段活用・連用形 |
申し | 謙譲の補助動詞・サ行四段活用・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
けむ | 過去推量の助動詞・連体形 |
が | 格助詞 |
おそろしさ | ー |
よ。 | 終助詞 |