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蜻蛉日記原文全集「さて昼は日一日例のおこなひをし」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

さて昼は日一日、例のおこなひをし

さて昼は日一日、例のおこなひをし、夜はあるじの仏を念じたてまつる。めぐりて山なれば、昼も人や見んのうたがひなし。簾まきあげてなどあるに、この時すぎたるうぐひすのなき来(き)て、軒のちかくにひとくひとくとのみいちはやくいふにぞ、簾おろしつべくおぼゆる。そもうつし心もなきなるべし。かくてほどもなく不浄のことあるを、出でむと思ひおきしかど、京はみなかたちことに言ひなしたるには、いとはしたなき心ちすべしと思ひて、さしはなれたる屋におりぬ。

京より、をばなどおぼしき人ものしたり。

「いとめづらかなる住まひなれば、しづ心もなくてなん」


などかたらひて、五六日ふるほど、六月さかりになりにたり。



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・蜻蛉日記原文全集「さて昼は日一日例のおこなひをし」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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