導関数とは
ここでは、
導関数(どうかんすう)についてみていきますが、まずは
微分係数について思い出してみましょう。
微分係数は、次の公式を使って求めることができました。
y=f(x)について、"x=a"のときの微分係数は、
= \lim_{h \rightarrow 0} \frac{f(a%2Bh)-f(a)}{h} )
例えば、x=1のときの微分係数は、
x=−2のときの微分係数は、
と、ひとつひとつ求めて行くことになります。
これって計算がすごい面倒くさいですよね。仮に、"x=1"や"x=−2"を
代入すればぽーんと答えが導ける方法があったらどうですか。いいですよね。そのやり方を学ぶのが、この導関数の単元です。
微分係数を、値を代入するだけで簡単に
導くことができる
関数、"導関数"についてみていきましょう。
導関数の求め方
値を代入しただけで微分係数を簡単に求めることができる関数を、
導関数といいます。導関数を求めるために、次のことを頭にいれましょう。
指数を前にもってきて、次数を1つ下げる
具体的にみてみましょう。
■"f(x)=x²"の導関数を求めなさい
"f(x)=x²"の導関数を求めてみます。まず、指数を前にもってきます。どういうことかというと、x²の指数"2"を、xの前にもってきます。
2x²
次に、次数を1つ下げます。2x²の次数は"2"なので、これを1つ下げて"1"にします。
2x
f(x)の導関数は"f'(x)"と表しますので、
f'(x)=2x ー①
これが"f(x)=x²"の導関数です。
"f(x)=x²"のx=1のときの微分係数は、①にx=1を代入して
"
f'(1)=2"
"f(x)=x²"のx=−2のときの微分係数は、①にx=−2を代入して
"
f'(−2)=−4"
と求めます。拍子抜けするぐらい簡単ですよね。
関数"f(x)"を微分して導関数"f'(x)"を求めると言います。
もう1問やってみましょう。
■"f(x)=2x³"の導関数を求めなさい
続いて"f(x)=2x³"の導関数を求めてみます。まず、先ほどと同じように指数を前にもってきます。x³の指数"3"を、xの前にもってきます。
3×2x²=6x³
次に、次数を1つ下げます。6x³の次数は"3"なので、これを1つ下げて"2"にします。
6x²
f(x)の導関数は"f'(x)"と表しますので、
f'(x)=6x²
これが"f(x)=2x³"の導関数です。
前にもっていった指数と、最初からxの前についていた数をかけるというところがポイントですね。
■"f(x)=−2x"の導関数を求めなさい
続いて"f(x)=−2x"の導関数を求めてみます。まず、先ほどと同じように指数を前にもってきます。xの指数は"1"なので、これをxの前にもってきます。
1×(−2)x=−2x
次に、次数を1つ下げます。−2xの次数は"1"なので、これを1つ下げて"0"にします。xの0乗は"1"なので、
−2
f(x)の導関数は"f'(x)"と表しますので、
f'(x)=−2
これが"f(x)=−2x"の導関数です。
この問題のように、
指数が1の関数の導関数を求めると、"x"がなくなるというところがポイントですね。
■"f(x)=4"の導関数を求めなさい
最後に"f(x)=4"の導関数を求めてみます。
この問題のように、記号のない関数の導関数は、必ず
f'(x)=0
となるので覚えておきましょう。