中納言参りたまひて
このテキストでは、清少納言が書いた枕草子の中から『中納言参りたまひて』でテストに出題されそうな問題をピックアップしていきます。
※清少納言は平安時代中期の作家・歌人です。一条天皇の皇后であった中宮定子に仕えました。そして枕草子は、兼好法師の『徒然草』、鴨長明の『方丈記』と並んで「古典日本三大随筆」と言われています。
問題
次の文章を読み、問いに答えよ
中納言
参り給ひて、御扇奉らせたまふに、
「隆家こそいみじき骨は得てはべれ。それをはらせて参らせむとするに、おぼろけの紙はえ張るまじければ、求めはべるなり。」
と申したまふ。
「いかやうにかある。」
と
問ひ聞こえさせたまへば、
「
すべていみじうはべり。『さらにまだ見ぬ骨のさまなり。』となむ人々申す。
まことにかばかりのは見えざりつ。」
と、言高くのたまへば、
「さては、扇のにはあらで、
海月のななり。」
と聞こゆれば、
「
これは隆家が言にしてむ。」
とて笑ひたまふ。
かやうのことこそは、かたはらいたきことのうちに入れつべけれど、
「一つな落としそ。」
と言へば、いかがはせむ。
設問
■Q1:「参り給ふ」の「参り」と「給ふ」はそれぞれ誰から誰への敬語か答えよ。
■Q2:「問ひ聞こえさせたまへば」は、誰が誰にきいたのかを答えよ。
■Q3:「すべていみじうはべり」を現代語訳せよ。
■Q4:「まことにかばかりのは」の「の」の後に1文字入れるとしたら何が入るか。本文中より抜き出せ。
■Q5:「海月」を現代仮名遣いで読め。
■Q6:「これは隆家が言にしてむ」の「これ」とは何を指すか。本文中から抜き出せ。
■Q7:「かやうのこと」とはどのようなことを指すか。
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